埼玉唯一ウナギ養殖、大好評“かば焼き”誕生 楽天で販売始めた武州ガス 小さく切った「刻み」も発売予定

一般販売を開始した「武州うなぎ」(武州ガス提供)

 ウナギの陸上養殖事業に新規参入した武州ガス(本社・埼玉県川越市)は6日、東松山市石橋の専用施設で育てたウナギを加工したかば焼き「武州うなぎ」の販売を、電子商取引(EC)サイト大手の楽天市場で開始した。同社は昨年6月、県内で唯一のウナギ養殖に取り組む武州瓦斯水産研究所を建設し、同8月から「クロコ」と呼ばれる稚魚の飼育をスタート。加工に適した大きさまで成長したウナギを、今年3月末に初めて、養殖用の水槽から水揚げした。

 かば焼き1尾の価格は、送料と税込みで小(約100~110グラム)が3550円、中(約120~140グラム)は3900円、大(約150~160グラム)が4400円。同サイズの場合は5尾まで同じ箱で発送することができ、1箱の送料は変わらないため、その分だけ割安になる。

 同社は池揚げしたウナギの加工を、愛知県豊橋市の老舗業者に委託。じっくりと白焼きしてから蒸し、たれ付けと焼きを3度行うことで、臭みがなくふっくらとした仕上がりになったという。これを急速冷凍して販売する。

 初めて池揚げしたウナギをかば焼きに加工し、同社グループ内で4月から試験販売したところ、非常に好評だったため、今月30日の「土用の丑(うし)の日」を控えたタイミングで一般販売を始めることに決めた。新事業開発部新事業チームの大河原宏真マネジャー(50)は「一番PRできる時期に間に合ってひと安心。子どもから高齢者まで、全ての世代の方々に家庭で味わっていただきたい」と期待する。

 1年目は月3千尾の販売が目標だ。今後は小さく切った「刻み」と呼ばれる商品も早期に発売する予定。販売が軌道に乗れば、ほかのECサイトでも購入できるようにしたり、自社販売サイトも立ち上げる考え。また、1年以内をめどに、加工したかば焼きを提供する直営レストランを、同社のガス供給エリアに開店する計画も進めている。

 問い合わせは、「武州うなぎ 楽天市場店」(フリーダイヤル電話0120.365896)へ。

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