県北囲碁界の頂点を決める第38期美作本因坊決定戦

岡山県北囲碁界の頂点を決める第38期美作本因坊決定戦(津山朝日新聞社主催、津山囲碁協会主管)が6日、小原の西苫田公民館で開かれた。池田晃一美作本因坊(77)=福田=が大東邦雄七段(70)=北園町=をストレートで下し、タイトルを防衛した。通算5期目で、2回目の永世位就任への足がかりをつくった。
池田美作本因坊は昨年、大東七段からタイトルを奪取しており、2年連続の対戦。
三番勝負、持ち時間60分で行った。1局目は大東七段の黒番で開始。序盤は黒が地合いで先行。白が左辺で黒石に仕掛けた。戦いが右辺から始まり、白は黒石を攻めながら、確定地をつくった。戦いは右下に移り、中央に及んだ。白が主導権を握り、右辺で大きなコウが発生した。コウ立ての中で、白が得をしたため、白はコウを無難に収束させた。このあたりから白が優勢に立って、第一局を勝利した。283手完、白8目半勝。
手番を入れ替え、第2局は池田本因坊の黒番で開始した。序盤はゆっくりとした布石で始まり、白が下辺で仕掛けて戦いが始まった。ここでの打ち方が白の石が重く、黒が打ちやすくなった。白は上辺で戦いを挑み、黒はそれを冷静に受けて立ち、そのまま優位を築いた。終盤、白が勝負手を放ったが、黒は無難に応じて勝利を確定させた。221手完、黒中押し勝ち。
池田美作本因坊は「昨年は内容が悪く、ぼろぼろにやられたと感じていた。今回に備えて勉強し、全体を見る大局観を意識して戦った。今後も囲碁ファンが増えるような碁を打ちたい」。大東七段は「2局ともいいところがなかった。完敗です」と話した。
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盤面に火花を散らした第1局

美作本因坊位を防衛した池田さん

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