「郡上踊」に向け励む児童、岐阜 ユネスコ認定後、初の開催

岐阜県郡上市の体育館で、郡上踊の練習をする保存会メンバーと小学生ら=10日

 日本三大盆踊りの一つ「郡上踊」が岐阜県郡上市で15日に始まる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が郡上踊を含む民俗芸能「風流踊」を無形文化遺産に登録してから初の開催。観光客も一緒に神社や街角の輪に加わる「踊りの季節」を迎えるのを前に、保存会のメンバーや地元の子どもたちが練習に励んでいる。今年の郡上踊は9月9日まで。

 「手を上げて、前に倒れる振り付けが難しかった。でも楽しい」。郡上市白鳥町の市立大中小学校の体育館で今月10日、練習に参加した3年の河合醍醐さん(8)が歯を見せて笑った。児童らが大きな円をつくり、歌に合わせてリズミカルなテンポで舞っていく。

 先生役を務めた「郡上おどり保存会」の成瀬美佐子さん(70)は無形文化遺産の登録にも気負った様子はなく「今年もいつも通りに踊る」と穏やかに話した。一方で、保存会への若者の加入率が低く、後継者が不足している今を憂う。

 練習を企画した大中小の山下哲男校長(58)は「郡上に伝わる文化として、地元の子どもたちみんなに踊りを覚えてもらいたい」と語った。

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