県勢3選手世界に挑む 水泳世界選手権14日開幕

2種目に出場しパリ五輪代表内定に挑む飛び込みの須山=東京アクアティクスセンター、4月7日の翼ジャパン・カップより

 水泳の世界選手権は14日、福岡市の福岡県立総合プールほかで開幕し、17日間の熱戦の火ぶたが切られる。県勢は大会前半の飛び込みに榎本遼香(えのもとはるか)(宇都宮市出身、栃木トヨタ・NSP宇都宮)と須山晴貴(すやまはるき)(NSP宇都宮)、後半の競泳に水沼尚輝(みずぬまなおき)(真岡市出身、新潟医療福祉大職)が出場する。今大会は成績によって2024年夏のパリ五輪代表内定が決まり、その県勢第1号の代表が誕生するか注目が集まる。

 先陣を切るのは15日の男子3メートルシンクロ板飛び込みと19、20日の同3メートル板飛び込みに出場する須山。4月の「翼ジャパン・カップ」よりも技の難易度を上げて挑む考えで、そのために昨年の栃木国体から体重を5キロ増やした。今大会を見据えたトレーニングの成果も表れ始めているといい「自信を持って臨める」と手応えを語る。

 女子3メートル板飛び込み(20、21日)に出場する榎本も仕上がりは順調だ。シンクロ種目は3位、個人種目は決勝進出ラインとなる12位以内に入ればパリ五輪の内定が出る。

 昨年のブダペスト大会では2人とも3メートル板飛び込みで決勝進出を果たしており、実力を出し切れれば五輪内定を勝ち取る可能性は十分だ。

 競泳の水沼は、23、24日の男子50メートルバタフライと28、29日の同100メートルバタフライの2種目にエントリーした。競泳で内定が出るのは優勝者のみで、水沼としてはまずは得意とする100メートルバタフライで上位8人の決勝に残り、ブダペスト大会準決勝でマークした50秒81の自己記録を狙う。

 今大会は当初、21年夏の開催予定だった。東京五輪の延期に伴い22年5月に変更され、さらに新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今夏に再延期された。福岡市での開催はアジア初開催となった01年以来、22年ぶり2度目。6種別75種目で争われ、約200の国と地域から約2400人が参加予定となっている。

須山晴貴

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