勝田範彦、11本のSS制す快走で今季初優勝。コバライネンはSS1でリタイア/全日本ラリー第6戦

 7月7日から9日にかけて、北海道虻田郡ニセコ町を中心にJRC全日本ラリー選手権第6戦『2023 ARKラリー・カムイ』が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスJP4ラリー2)が今季初優勝を飾った。

 昨年に続き2023年シーズンも夏の北海道を舞台に行われる“グラベル(未舗装路)ラリー連戦”の第1ラウンドとなったラリー・カムイ。週末は好天に恵まれ、路面は金曜日までに降った雨によって適度に湿り気を帯びた絶好のコンディションとなった。

 そんな今大会ではTGRのトヨタGRヤリスJP4ラリー2が躍動する。勝田/木村組のマシンはオープニングのSS1でのベストタイムを皮切りに、午後のSS5まで5ステージ連続となるステージウインを飾り、初日レグ1の最後のステージとなったSS6を終えた時点で、総合2番手/JN2クラス首位の奴田原文雄/東駿吾組(ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス)に22.4秒、総合4番手/JN1クラス2番手につける福永修/齊田美早子組(アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア)には1分03秒1ものギャップを築いた。

 2021年王者はこれに奢ることなく、最終日もオープニングのSS7から最速タイムに次ぐ最速タイムで6SS連続ステージウイン。前日の5SSと合わせて全12本のステージ中11本で最速タイムを記録し、2023年シーズン初そして今季より導入された新車での初優勝を独走で飾っている。

 一方、今大会で勝田の最大のライバルになると目されていたヘイキ・コバライネン/北川紗枝組(AICELLOラックDL速心FABIA)は、SS1でクラッシュしリタイアに。第2戦新城から4連勝してこの北海道ラウンドに臨んだチャンピオンペアのシュコダだったが、走行中にサスペンションが壊れたことでコントロール不能に陥り、緩い右コーナーでコースオフ。その後の修復も叶わず今季初のリタイアとなってしまった。

 優勝した勝田に次ぐ総合2位となったのは奴田原/東組のGRヤリスで、全体ベストタイムをマークしたSS6を含む全SSでクラストップタイムを記録した同ペアが、JN2クラスのウイナーとなっている。

 初日に眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリーDAT)と総合3番手を争った福永/齊田組が総合3位/JN1クラス2位でフィニッシュ。トップとのタイム差は1分42秒5だった。JN1クラス3位には総合9位の今井聡/高橋芙悠組(AKM・MOTORSPORTS・C3R5)が入っている。この他のクラスのウイナーは以下のとおりだ。

■2023年全日本ラリー選手権第6戦ラリー・カムイ結果

Class Driver&Co-Driver Car Time

JN1クラス1位 勝田範彦/木村裕介 トヨタGRヤリスJP4ラリー2 1h06’33.3

JN1クラス2位 福永修/齊田美早子 アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア +1’42.5

JN1クラス3位 今井聡/高橋芙悠 AKM・MOTORSPORTS・C3R5 +5’27.1

JN2クラス1位 奴田原文雄/東駿吾 ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス 1h07’31.1

JN3クラス1位 山本悠太/立久井和子 SammyK-oneルブロスYHGR86 1h14’52.4

JN4クラス1位 香川秀樹/松浦俊朗 DLテインBRIG鋳造魂フォルテシビック 1h15’14.8

JN5クラス1位 松倉拓郎/尼子祥一 DL☆GS☆鹿ソニックLOVCAデミオ 1h15’13.7

JN6クラス1位 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DLアクアGR SPORT 1h20’04.3

GRヤリスJP4ラリー2での初優勝を飾った勝田範彦/木村裕介組 JRC第6戦ラリー・カムイ

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