上位進出へ必要な戦力 進化する大砲 末包昇大(27)の挑戦 “脱力打法” 広島カープ

広島カープ正念場の後半戦へ活躍の期待が高まる大砲・末包昇大 。ことしの春からある方法に取り組み、進化した姿を見せています。キーワードは、“脱力” です。

6月13日、末包は、10か月ぶりに1軍に昇格、笑顔でグランドに姿を見せた。

広島カープ 末包昇大 選手
「開幕してからちょっと時間は経ったんですけども、とりあえず上がれて、ほっとしています」

この日の9回、代打で打席に立った。

末包昇大 選手
「状態自体は自分の中でよかったので、1軍に上がって1発目のピッチャーとしては厳しいかなと思ってたので、ある程度、開き直って…」

楽天の守護神・松井を相手に…

実況
「投げました。初球を打ちました。逆方向のバッティングはうまい。セカンドを超えていく。右中間だ。滑りこんでツーベースヒット。初球をたたいた、逆方向への末包のバッティング。ワンアウト・ランナー2塁」

末包昇大 選手
「もう完全に逆方向ですね。逆方向にヒット打てればなというぐらいのイメージだったので」

それから3日後(6月16日)…

末包昇大 選手
「あの打席は追い込まれていたので、完全に右方向にヒットを、ライト前ヒットを打てればなと、よくて…」

思った以上に飛んで、バックスクリーンに飛び込むホームラン。

末包昇大 選手
「ツーストライクに追い込まれてから、あそこにホームランが打てたというのは自信になりますし」

進化した末包の全てが、この2打席に集約されていました。実はことし4月半ばから2軍の 新井良太 コーチらの指導の下、“脱力打法” に変えました。

末包昇大 選手
「いかに脱力して打席に入るかっていうのが大事だと。完全に力を入れずに思い切り振らずに」

さらにバットも変更。長野久義 が使っているモデルを本人から送ってもらい、使用しています。

末包昇大 選手
「ありがたいです。聞いていたとおり人格者です」

そのバットは2センチ長く、柔らかいのでボールを載せて打てるといいます。

末包昇大 選手
「これ、いいのかなと思いだして…」

バットを握らない構え―。6月に入ると確信に変わります。広角に打てるようになり、チャンスにも力まなくなりました。

8試合で打率5割、2本塁打、15打点、得点圏打率.386と結果を出し、みごと1軍昇格を決めました。

末包昇大 選手
「残りシーズンの目標は1軍帯同です。1軍にいるからこそ、途中で代打だったり、スタメン、レギュラー陣が不調だったときに行ってみようかとチャンスをもらえるので、そういうチャンスをもらうためにも1軍にずっといないといけないなと思いました。1軍にずっといて活躍してチームの優勝に貢献できるようにがんばります。応援よろしくお願いいたします」

© 株式会社中国放送