芳賀で「ロマンの碑」盗まれる 町長「大変ショック」

盗まれたことが発覚したブロンズ製の「ロマンの碑」=芳賀町東高橋

 11日午後2時ごろ、栃木県芳賀町東高橋のロマンの碑河川公園に設置されていたブロンズ製の「ロマンの碑」がなくなっているのに町職員が気付き、駐在所に届け出た。真岡署は窃盗事件として捜査している。

 同署や町によると、最後に町職員が見かけた5月17日午後1時ごろ以降、盗まれたとみられる。町内の農業集落排水処理施設2カ所で11日、銘板がなくなっているのが見つかり、町職員が巡回して気付いたという。

 ロマンの碑は直径約1メートル。明治浪漫主義の代表的洋画家青木繁(あおきしげる)と恋人で町出身の洋画家福田(ふくだ)たね、子どもの幸彦(さちひこ)の姿が刻まれている。1976年に完成し、石を積み重ねた土台にセメントで固定されていた。

 建立には建設委員会を組織して約1千万円の寄付を集め、益子町で活動したハンガリー出身の彫刻家、故ワグナー・ナンドールさんが制作した。

 大関一雄(おおぜきかずお)町長は「全く想定していない事態で大変ショックを受けている。芳賀温泉ロマンの湯など、ロマンのまちづくりのシンボルでもある。願わくば戻ってきてほしい」と話した。

ロマンの碑が設置されていた土台=11日午後8時20分、芳賀町東高橋
ロマンの碑が設置されていた土台=11日午後8時20分、芳賀町東高橋

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