夏山の救助万全に 県警山岳警備隊、訓練に出発

夏山の安全へ気を引き締める隊員=上市署

 夏山シーズンを迎え、富山県警山岳警備隊は11日、北アルプス・剱岳一帯などでの遭難救助訓練を始めた。19日までの9日間で新人2人を含む隊員23人が岩場での救助技術や登攀(とうはん)能力などの向上に取り組み、万全な救助体制を整える。

 上市署で出発式が行われ、谷川克也地域部長は「強さと優しさを兼ね備えた頼りになる隊員を目指してほしい」と訓示。チームワークの醸成と安全管理徹底の大切さを強調した。青木敬署長が激励した。

 隊員は若手と中堅の2班に分かれ、それぞれ早月尾根と室堂経由で剱岳に向かった。飛弾晶夫隊長は「山は避暑地と言えども近年は暑い。熱中症や脱水症状が絡んだ事故が増えており、登山者には水分管理をしっかりとしてほしい」と話した。県警によると、今年の山岳遭難件数は5月末現在で24件、遭難者数は24人(死者1人)となっている。

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