人と自然の恵みを熟成…地元の名品結集させた唯一無二の逸品 秩父やまなみチーズ工房の「ルビー」

秩父やまなみチーズ工房の「ルビー」

 ワイナリーや果樹農園がある埼玉県秩父市下吉田に2018年にオープンしたチーズ工房。一番人気のルビーはウオッシュタイプのチーズで、20年に初出品したジャパンチーズアワードで金賞に輝いた。

 チーズには市内の吉田牧場の新鮮な牛乳を使用。作る日の朝、搾りたてを取りに行く。空気が混ざって酸化しないように、ポンプは使わずにくむ。工房まで8キロ。信号が少ない道を車でゆっくりと、牛乳を揺らさないように運ぶ。

 平成の名水百選の一つ、地元の毘沙門水の塩水を1日おきにチーズの表面に塗り、熟成させること6週間。最後に秩父が誇るウイスキー、イチローズモルトを塗って発酵を止める。牛乳、水、酒…、同じ気候風土の中で生まれたもの同士の相性は抜群だ。

 「秩父の人と自然の恵みを熟成させたチーズ」と、代表取締役の高沢徹さん(60)。濃厚でまろやか、適度な香り。スライスして、そのまま酒のつまみに。はちみつを少しかけてもいい。秩父名産のしゃくし菜と一緒に刻んだ軍艦巻きもお薦めだ。

■メモ

 秩父やまなみチーズ工房は秩父市下吉田4074の2(電話0494.26.7638)。ルビーは100グラム1210円(税込み)。購入は同工房(金・土・日曜日の正午~午後5時)か、西武秩父駅前温泉祭の湯、矢尾百貨店などで。

■埼玉みやげラボ代表 斉藤哲也さんの話

 秩父ならではの素材の魅力を存分に活かした唯一無二の逸品。手間暇かけて磨かれた外側は強い塩味と個性的な香り、他方の内側は柔らかく熱を加えるとトロ~リ溶けてさらに美味しく。磯部焼きも乙だし、はちみつトーストも相性抜群。

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