梅毒感染が過去最多 長崎県内で59人 予防や早めの検査を推奨

 長崎県は、県内で今年に入って、性行為などで感染した梅毒の患者数が59人に上り、1999年に感染症法上の位置付けが「5類」になって以降の年間最多を更新したと発表した。予防や早期発見のための検査を推奨し、注意を喚起している。
 近年、全国的に感染者数が増加しており、昨年は全国で1万743人。うち県内は58人で過去最多だった。
 今年は、半年たった7月2日時点の県内集計で、早くも昨年の年間実績を超えた。昨年同時期は33人だった。年代別で見ると、10~30代が78%を占めている。不特定多数との性行為の増加が感染拡大の一因との見方もある。
 梅毒は放置すると、心臓や血管、神経に異常を来すことがある。妊娠中の母子感染で子どもに先天異常を起こす要因にもなる。ただ早期発見と治療で完治できる。
 県感染症対策室は、性器のかゆみや痛みなど違和感がある際は検査を受け、コンドームの適切な使用で予防するよう呼びかけている。県内10カ所の保健所では匿名で無料検査を受けられる。


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