【漫画】門限を破ると暴力、突然の暴言 “毒親”への愛憎を描いた話題作に「共感しかない」の声 作者に聞く

「子どもなんて可愛いのは3歳まで。あとは憎たらしい」と言い放った父親は、食事の時間に遅れると暴力をふるい、なんの前触れもなくひどい暴言を吐くなど、今でいう毒親であった。不遇の子ども時代を過ごした作者は、この時の経験を赤裸々に描き尽くす!──読者からの共感を巻き起こす実録エッセイ『父親が苦手です』

自身に起きた出来事を赤裸々なエピソードを交えて描く、しゃけなかほいさんの作品。素直でストレートなこの作品に共感する読者が続出!

幅広い世代の間で語られるようになった、“子どもの毒になる親”を指す「毒親」。作者である、しゃけなかほいさん(@syake8989)も、そんな毒親であった父親との思い出を清算し、整理するために『父親が苦手です』という実録エッセイを発表している。可愛らしいのほほんとした絵柄とは相反した、壮絶な父親とのエピソードが描かれ、同じ境遇で育った読者からは「共感しかない」と好評を博している。

そこで今回は、こうした自身の経験を赤裸々に描いた、しゃけなかほいさんに、創作に関する背景や、今後の展望について話を聞いた。そして、本記事には特別に本作品の一部も掲載する。

描くことで気持ちを整理できる

クリエイティブな仕事に憧れ、芸術系の学校に進学後、紆余曲折を経て、広告代理店の制作業務を手掛けているというしゃけなかほいさん。創作に気持ちに向かったのは、人生最大の出来事に直面したあと、とあるブログに出会ったのが理由だと話す。

「父親が苦手です」-01

「妊娠中に、出産レポートの漫画をブログで読んでいました。体験談がとても励みになったのを覚えています。育児に慣れてきた頃、自分の体験談も誰かの役に立ったり、ほっこりさせたりできるかもしれないと思い、描いてみようと始めたのがきっかけです」

「父親が苦手です」-02

今から約1年半前に自身のブログを立ち上げ、自らの体験を作品として発表するようになった。少しずつ読者からの反響を得るようになり、自身として創作における軸のようなものも見えてきたと話してくれた。

「父親が苦手です」-03

「わかりやすく描くことと、描きたいものを描くことです。私のブログの題材が身近なファッションから出生前診断のような重たいものもあります。全部描いてみたかったから描いているのですが、温度感が違いすぎるので、メリハリのある表現になるように気をつけています」

「父親が苦手です」-04

こうした創作活動は、しゃけなかほいさんに思わぬ効果をもたらしている。作者が言う。

「父親が苦手です」-05

「イライラしたり、イレギュラーな日があったりしても、ネタにしてやろうと思うようになりました(笑)。そう思って描くと気持ちも整理できて良いと思います。今では、『共感した』というコメントいただくこともあり、この交流によって『私だけが悩んでるんじゃないんだな』という励みになっています」

「父親が苦手です」-06

今後の展望については、「子どもが2人目も生まれてなかなか描く時間もとれませんが、無理のない範囲で続けていけたら良いなと思います。気持ちは、毎日更新したいくらいです! 自分の体験談が誰かの役に立ったり共感してもらえたりしたら嬉しい!」と話してくれた。素直で正直に描かれたしゃけなかほいさんの作品は、これからも多くの読者を勇気づけ、支えていくだろう。応援していきたい。

<しゃけなかほいさんInformation>
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(よろず~ニュース特約・橋本未来)

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