コーヒー抽出「日本一目指す」 喫茶ルミエ(弘前市)店主・神さん、青森県内初の決勝進出

ドリッパーにお湯を注ぎ入れる神さん。温度や蒸らす時間のわずかな違いが味に影響を及ぼすといい、表情は真剣そのもの

 5月に行われたコーヒー抽出の腕前を競う「ジャパン・ハンドドリップ・チャンピオンシップ2023」(日本スペシャルティコーヒー協会主催)の札幌地区予選で、青森県弘前市城東1丁目の「喫茶ルミエ」の店主神知彰さん(41)が予選を突破し、県内で初めて決勝大会に進む。神さんは「技に磨きをかけ、日本一を目指したい」と意気込んでいる。決勝大会は9月29日に東京ビッグサイトで行う。

 大会は、指定された焙煎(ばいせん)済みのコーヒー豆を使い、風味や濃度を基準にコーヒー抽出の技を競う。「緊張して手が震えた」(神さん)が、審査員からは「味や香りのバランスがいい」と評価された。

 出場を決めたのは、青森市古川のコーヒースタンド「COFFEEMAN good(コーヒーマングッド)」を営む橋本雄大さんから声をかけられ、「青森のコーヒー界を盛り上げたい」と思ったのがきっかけ。残された時間は2カ月とわずかだったが、抽出量や温度などを研究したほか、大会で用いられるドリッパーを新たに購入するなど周到に準備を重ねた。

 課題に挙げるのが予選で審査員が指摘した、香りと甘みの弱さ。神さんは「業界で知られたプロからフィードバックがあるのも大会の魅力。好成績を収めるのはもちろん、お客さまに喜んでもらえるより良いコーヒーを目指して努力したい」と笑顔を見せた。

© 株式会社東奥日報社