小山で初 セブンが移動販売車を本格運用 買い物支援など担う

買い物支援や見守り活動を展開するセブンあんしんお届け便

 【小山】セブン-イレブン・ジャパンは、直営のコンビニエンスストア「セブンイレブン小山城東店」を起点とする移動販売車「セブンあんしんお届け便」の本格運用を開始した。市内では初めてで、市や県との協定に基づき高齢者の買い物支援や見守り、市内産有機野菜の販売など多面的な役割を担う。

 セブンイレブンの移動販売車運用は県内で4店舗目。本社直営としては県内初、全国でも横浜市内に続いて2例目という。同社の高岸史幸(たかぎしふみゆき)小山地区ディストリクトマネジャー(46)は「小山はスーパーやコンビニなどが多い地域だが、まだまだ便利を届けられていないケースがある。実験的な取り組みでもあり、どのような効果やニーズがあるかを検証していきたい」としている。

 小山城東店では3月から試験運用を始めた。現在は月〜水曜に、買い物支援を求める高齢者宅など市内各所の17軒へ訪問して販売。今後、要望に応じて対象を拡大し、拠点販売なども検討する。

 移動販売車は軽トラックを改造した形で、コンテナ内は常温や冷凍・冷蔵など温度別に仕切られている。おにぎりや弁当、お菓子、冷凍食品など約350〜400種類の商品が並ぶ。さらに有機野菜は市有機農業推進協議会のアンテナショップ「ハレタラ」と連携して販売する。

 「ハレタラ」代表の石川均(いしかわひとし)さん(73)は「有機野菜の販売は会話しながら価値を伝えることが大切。この取り組みがオーガニック推進につながるといい」と話した。

 11日には同店で、関係者が出席して出走式を行った。移動販売を担当する枳穀良太(きこくりょうた)さん(29)は「安全安心に暮らせるまちづくりをお手伝いしたい。また、この取り組みをさまざまな土地で生かせるようにもしたい」と述べた。

 市自治会連合会長の柿崎全良(かきざきまさよし)さん(70)は「街なかでも高齢化が進み、足がなくて買い物に困っているという話をよく聞く。この取り組みを皆さんに知っていただき、交通安全にもつながるといい」と期待した。

買い物支援や見守り活動を展開するセブンあんしんお届け便
セブンあんしんお届け便を視察する出走式の出席者ら
セブンあんしんお届け便を視察する出走式の出席者ら

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