<レスリング>7.6~9 U15欧州選手権でAIN(ロシア)選手が20階級を制覇

 

 7月6~9日にハンガリー・カポシュバールで行われたU15欧州選手権で、AIN(フランス語で『国際中立』の頭字語)の立場で出場したロシア選手が、男女3スタイル30階級中20階級で優勝(男子フリースタイル9、女子6、男子グレコローマン5)、銀メダル5、銅メダル5を獲得。国際舞台から1年以上離れていた国とは思えない強さを見せた。

▲U15欧州選手権・男子フリースタイルで9階級を制したロシア(AIN)チーム=ロシア協会HPより

 ロシアとベラルーシは、ロシアのウクライナ侵攻のため国際舞台から除外されており、世界レスリング連盟(UWW)が主催する大会には出場できなかった。今年4月に国際オリンピック委員会(IOC)が個人資格の「中立」選手に限定するなど諸条件つきで両国の復帰を各国際競技連盟(IF)に勧告。UWWはこれを受け入れ、U15とU17に関しては中立の選手として国際大会に出場することを直ちに許可した。

 6月12~18日にアルバニア・ティラナで行われたU17欧州選手権が両国の復帰戦となり、男子フリースタイル19選手、男子グレコローマン20選手、女子20選手のAIN選手(ロシアおよびベラルーシの選手)が出場。男子フリースタイルで「金1・銀2・銅6」とやや不振だったものの、男子グレコローマンで「金4・銀3・銅2」、女子で「金4・銀4・銅6」を獲得して強さを見せた。

 6月28日~7月2日にスペイン・サンティアゴ・デ・コンポステーラで行われたU20欧州選手権は、スペイン政府が両国選手にビザを発行しなかったため出場できなかった。

 ロシア協会のミハイル・マミアシビリ会長は、今回のU15欧州選手権での20階級制覇に対し、ロシア協会ホームページに「多くの国から祝福や合宿を希望する連絡をもらっている。ロシアなしで競争する限り、チャンピオンとは呼ばれないことは、だれもが理解している」と、オリンピックへの出場を望むコメントを発表した。

 なお、ウクライナはU17、U15とも不参加だった。同国はIOCがロシア・ベラルーシ容認の姿勢を示したあと、両国が参加する大会へのボイコットを示唆しており、5月にロシアとベラルーシが中立選手として参加した世界柔道選手権には参加しなかった。

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