12市町に土砂災害警戒情報 富山県内激しい雨

激しく降る雨風のなかを歩く人 =富山駅前

  ●富山空港86ミリ、黒部76ミリ 上市6地区避難指示

 12日の富山県内は、前線や暖かく湿った空気の影響で雷を伴い、激しく雨が降った。県と富山地方気象台は避難が必要となる危険な状況として富山、高岡、射水、砺波、南砺、氷見、魚津、黒部、滑川、小矢部、上市、立山の12市町に土砂災害警戒情報を発令。入善、朝日の2町に大雨警報(土砂災害)を出した。上市町は大岩など6地区に避難指示を出した。

 同気象台によると、24時間降水量の最大値は午後9時現在、富山市秋ケ島(富山空港)86ミリ、黒部市宇奈月76.5ミリ、砺波市70.5ミリなどを記録した。

 富山市は同日午後6時、大沢野小、上滝小、八尾小、神通碧小、楡原中に自主避難所を開設。同8時半現在で避難者はいない。射水市は同10時12分、金山コミュニティセンター、水戸田コミュニティセンター、太閤山小に避難所を開設した。

  ●坪野川で氾濫危険水位一時超える

 国交省のホームページによると、同午後10時半現在、高岡市の祖父川、谷内川、小矢部市の黒石川で氾濫開始水位、富山市の坪野川で氾濫危険水位を一時超えた。

 JR西日本金沢支社によると、大雨のため、北陸新幹線富山-金沢駅間の上下線で12日午後9時50分から、城端線高岡―城端駅間上下線、氷見線高岡-氷見駅間の上下線で同9時26分から、高山線富山-猪谷駅間上下線で同9時23分から、それぞれ運転を見合わせている。

 12日の最高気温は富山市中心部31.6度、高岡市伏木31.3度など全10観測地点のうち7カ所で30度以上の真夏日となった。県内消防機関によると、富山、氷見、小矢部市の70~90代女性3人が熱中症疑いで搬送され、軽症とみられる。

 富山地方気象台によると、前線が北陸地方に停滞して暖かく湿った空気が流れ込み、上空約5500メートルに氷点下6度以下の寒気が流れ込むため、県内は13日夜遅くにかけて大気の状態が非常に不安定となる。雷を伴って1時間に30ミリ以上の激しい雨が降り、警報級の大雨となる所があるとして注意、警戒を呼び掛けた。13日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で150ミリ。

  ●富山市で1240戸停電

 富山市内では12日、雷などの影響で婦中町地域の一部で午前3時51分ごろから約1200戸、山田宿坊で午後0時38分ごろから約40戸が一時停電した。

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