千里浜一転開設 海水浴場、7月中に

営業断念から一転して海水浴場が開設されることになった羽咋市千里浜海岸=11日、同市千里浜町(ドローンから)

 今夏の海水浴場の営業を断念していた羽咋市千里浜海岸唯一の浜茶屋が12日、一転して石川県に浴場開設の申請を提出した。開設断念との北國新聞報道を受け、支援を求める声が出ていた。市は浜茶屋に対する支援額を従来の10万円から約200万円に拡大する特別措置を決定し、監視員配置などの要件が満たされることになった。県の調査を経て今月中に海開きとなる予定で、今夏の千里浜はひとまず、無事に海水浴客を迎えられる。

 浜茶屋「山田屋」店主の山田俊一さん(75)が、県能登中部保健福祉センター(七尾市)に開設申請を届けた。県条例に基づいて更衣所やトイレ、簡易シャワーを浜茶屋横に増設し、ブイとロープで遊泳区域(100メートル×50メートル)を区切る。監視員を置く準備も進める。増設工事が順調に進めば、早ければ1週間程度で開設が認められるという。

 千里浜海岸では、昭和40~50年代に13軒を数えた千里浜浜茶屋組合が2019年に山田屋のみとなり、組合員が協力して行ってきた設営に新たに人員が必要となった。資材老朽化の負担増もあり、山田さんは今夏の開設を見送っていた。市の支援増額で、人件費や資材購入費がまかなえるようになり、開設の見通しがついた。

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