進化した福井県立恐竜博物館の魅力を詳しく紹介 大迫力の特別展示室、7月14日リニューアルオープン

リニューアルオープンを控えた福井県立恐竜博物館。右手の小さな卵形ドームが新館=7月6日、福井県勝山市村岡町寺尾(同市提供)
3面の壁がスクリーンとなる特別展示室。実物大の恐竜が動き回る動画を上映する

 福井県立恐竜博物館(勝山市)は開館記念日の7月14日、リニューアルオープンする。2000年の開館以降、増改築を伴うリニューアルは初めてで、来春の北陸新幹線県内延伸後の誘客促進などを見据え、一層魅力的に生まれ変わる。新しい博物館の見どころを紹介する。

■新館・実物大の恐竜が出迎え

 リニューアルに伴い増築された「新館」部分には、恐竜の迫力を体感したり、研究者の取り組みを体験したりできる新しい魅力が満載だ。

 新館は3階建てで整備面積7092平方メートル。目玉の一つは約千平方メートルの特別展示室だ。高さ約9メートル、幅約16メートルの壁面3面に映像を投映できる仕組みを導入。特別展開催時を除き、パノラマ画面を実物大の恐竜たちが動き回る動画を放映し来場者を出迎える。

 化石研究体験室では14日から、ティラノサウルスの精巧な頭骨模型の組み立てと、本物の研究道具を使った化石クリーニング体験、CTスキャンでの分析体験ができる。

 外観の特徴は長径27メートルの銀色の卵形ドーム「小タマゴ」で、内部に高さ13メートルのシンボルモニュメント「恐竜の塔」を備える。フクイラプトルなど福井で化石が見つかった新種の恐竜と太古の鳥類計6種の実物大の像がかたどられ、記念撮影などで人気を集めそう。

 このほか新館には、外部から見えるように一部ガラス張りの約900平方メートルの収蔵庫を整備。本館から新館へ至る通路には見る角度によって全身骨格になる恐竜の壁画を飾るなど、至る所に来館者を楽しませる仕掛けが施されている。

■本館・全身骨格化石50体に

 既存棟「本館」の卵形ドーム「恐竜ホール」内の展示も充実を図った。草食恐竜「ブラキロフォサウルス」の実物ミイラ化石を国内で初めて常設展示。恐竜の全身骨格化石は従来の44体から、恐竜ファンにおなじみのスピノサウルスの仲間「スコミムス」などを追加し50体に増やした。

 恐竜以外では、映画で人気を集めたモササウルス類の一種「ティロサウルス」の複製全身骨格化石を常設化する。

 レイアウトも大きく見直し、ホール中央部のティラノサウルスロボットの周囲には肉食恐竜「タルボサウルス」と草食恐竜「サウロロフス」の複製全身骨格化石を配置。肉食恐竜が草食恐竜に襲いかかる場面を想定した躍動感あふれる展示が楽しめる。

 本館では一部改修も実施。レストランや売店を拡張したほか、キッズルームや休憩室を新たに設けるなど、訪れた人たちが快適に過ごせる環境を整えた。

■観覧料など改定

 リニューアルオープンに合わせ観覧料などを改定した。常設展は一般千円(化石研究体験とのセット料金2200円)、高校・大学生800円(同1800円)、小中学生と70歳以上500円(同1100円)。未就学児無料(化石研究体験は参加できない)。

 日時指定の事前予約で、QRコード付き電子チケットが福井県立恐竜博物館ホームページで購入できる。予約状況に応じて当日券を販売する場合もある。問い合わせは同博物館=電話0779-88-0001。

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