飛ぶ屋根…埼玉も大気が不安定、突風で倒木も相次ぐ 昼前に住宅屋根が飛んだ幸手と加須、夜は1120軒が停電

突風が吹いた加須市と幸手市

 埼玉県内は11日夜、大気の状態が非常に不安定になり、活発な積乱雲が発生した影響で突風が吹き、加須市や幸手市など県北東部で家屋の屋根が飛んだり、木が倒れるなどの被害が相次いだ。熊谷地方気象台などは12日、突風が積乱雲から強い下降気流が吹き下ろす「ダウンバースト」か、積乱雲の下の冷たい空気が流れ出す「ガストフロント」の可能性が高いと発表した。

 県災害対策課によると、12日午前11時までに、住宅の屋根が飛ばされる被害が幸手市で4件、加須市で3件あった。人的被害の報告は上がっていないという。

 東京電力によると、11日午後9時ごろをピークに加須市、幸手市で約1120軒が停電したが、12日午前0時ごろまでに大部分が復旧した。

 熊谷地方気象台などは12日、職員を気象庁機動調査班(JMA-MOT)として現地に派遣し調査を実施。突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中だったが、被害や痕跡は面的に分布し、推定した風向に発散性が見られた。突風は比較的短時間(1~10分程度)で、強雨やひょうを伴っていたという証言が複数得られた。

 突風の強さについては調査中で、調査結果については13日に公表する予定という。

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