ものすごい突風、埼玉の国道2カ所で信号機の向き変わる 大木が根本から倒れ、トタン屋根が50メートル飛ぶ

突風の影響で倒れた公園の大木=久喜市葛梅2丁目の芝間公園

 埼玉県内は11日夜、大気の状態が非常に不安定になり、活発な積乱雲が発生した影響で突風が吹き、加須市や幸手市など県北東部で家屋の屋根が飛んだり、木が倒れるなどの被害が相次いだ。熊谷地方気象台などは12日、突風が積乱雲から強い下降気流が吹き下ろす「ダウンバースト」か、積乱雲の下の冷たい空気が流れ出す「ガストフロント」の可能性が高いと発表した。

■国道の信号、向き変わる

 幸手市では西関宿地区を中心に屋根が飛ぶなど家屋の被害が出た。国道2カ所で信号機の向きが変わり、警察官が交通誘導に当たった。停電の影響で、12日午後2時現在、復旧しない住宅が複数あり、市が蓄電池を提供するなど支援した。

 久喜市でも倒木などの被害が見られ、市内の芝間公園では大木が根本から倒れた。近くに住む60代男性は「ものすごい風だった。夜で公園に人がいなかったのが幸いだった」と話した。

 加須市では、道目地区で2階建て住宅のトタン屋根が丸ごと吹き飛び、約50メートル先の市道に落下。市職員は「すさまじい状況だった」と当時を振り返った。

 新利根地区の大利根西部公園近くのゆりのき通りでは、高さ10メートルほどのゆりのきの並木が5本倒れ、道路をふさいだ。地区内ではほかにも3本が倒れ、消防隊員らが伐採して撤去した。北篠崎地区では屋根瓦が数十枚が飛び、北小浜地区では太陽光パネルのフェンスが倒壊した。市内で停電も相次いだ。

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