諦めない、寒河江逆転 全国高校野球山形大会第5日

〈米沢東-寒河江〉7回裏寒河江1死二、三塁、5番安部祐希の二ゴロで本塁に滑り込む三走鈴木陽人。生還し5-4と勝ち越す=米沢市営野球場

 第105回全国高校野球選手権記念山形大会は第5日の12日、米沢市営野球場で2回戦の残り1試合を行い、寒河江が10―4で米沢東に逆転勝ちした。

 寒河江は3点を追う七回に4安打を集めるなどして一挙5点を奪って試合をひっくり返した。八回にも4点を追加して突き放した。

 第6日の14日は中山町のヤマリョースタジアム山形(県野球場)と山形市のきらやかスタジアムで3回戦4試合を行う。

好機は来る―終盤一気  序盤にリードを許し、打線は快音が続かない。流れをつかめない展開でも寒河江ナインに焦りはなかった。「好機は来る。終盤勝負だ」。何度も声をかけ合い、3点差の七回、連続適時打などで試合をひっくり返した。同点打を放った4番鈴木条二は「厳しい状況でも全員で諦めず戦えた」と胸を張った。

 風向きが変わったのは七回だ。安打と四球で1点を返し、1死二、三塁の場面で打席が回ってきた主砲は「得点圏の走者は自分が返す」と燃えた。外角直球につまりながらも、しぶとく右翼線に運んだ。適時二塁打で追いつき、塁上でガッツポーズを見せた。続く二ゴロで三走が生還して勝ち越しに成功した。試合の流れを一気に引き寄せ、ベンチとスタンドが沸いた。

 厳しい展開からの勝利に、ナインの表情には自信がにじむ。鈴木条は「次の試合も一生懸命プレーし、しっかりと守って勝つ」と力強かった。

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