「物置が隣家まで飛んだ」「ビニールハウスばらばらに」など被害報告43件 野田で突風 1人けが、停電も

トタン屋根が飛ばされるなどの被害に遭った敷地内で調査に当たる野田市消防本部の職員ら=12日、野田市

 野田市北部の旧関宿町地域を中心に11日夕、突風が発生し、屋根瓦が落下するなどの住宅被害が出た。倒れた竹を処理していた50代男性が左手を切る軽傷を負った。周辺の埼玉、茨城、群馬県内でも被害が確認された。気象庁は12日、職員を派遣し現地調査を行い、原因は積乱雲により引き起こされるダウンバーストかガストフロントの可能性が高いと発表した。

 銚子地方気象台によると、野田市では突風が11日午後6時10分ごろから発生した。積乱雲が発達して下降気流が起き、強い風が地面にぶつかって周辺に広がるダウンバーストか、積乱雲から下降した重い冷気が地表付近の暖気の側に流れ出し、強い風を起こすガストフロントにより突風が起きた可能性があるという。竜巻は発生しなかったとみられる。

 市によると、屋根瓦の落下など住宅被害を含み市への被害報告は計43件に上った。住宅被害は屋根瓦の破損やずれなども含み計14件。他にも「物置が隣家まで飛び、木が4本倒れた」「塀が倒れ道路に散乱した」「ビニールハウスが飛んでばらばらになった」などの被害報告も相次ぎ、市消防本部は状況の確認やブルーシートの提供など対応に追われた。

 11日深夜には、飛ばされたトタンが送電線に架かり、撤去のため一時350世帯が停電した。

突風で飛ばされたトタン屋根=12日、野田市

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