サッカーといえばヨーロッパと南米の2大陸が有名だ。イギリスから生まれた競技は南米で進化を遂げ、2つの地域で別々のスタイルが生まれていった。
今回は『Planet Football』から、「南米のクラブでプレーした珍しいヨーロッパ人選手8名」をご紹介する。もちろんこれ以外にも多くのプレーヤーが南米に挑戦していたが…。
ダニエレ・デ・ロッシ
所属したクラブ:ボカ・ジュニオルス
国籍:イタリア
フランチェスコ・トッティの後を継ぐようにASローマのバンディエラとなったダニエレ・デ・ロッシであるが、2019年に契約が満了となったときに思い切った決断をした。
自身が憧れていたというリーベル・プレートとのクラシコを戦うため、ボカ・ジュニオルスと契約。1938年のフェレンツ・サス以来となる「アルゼンチン国籍のないヨーロッパ人選手の加入」となった。
36歳という年齢でもあったことからわずか7試合で現役引退することにはなったものの、彼はデビュー戦でゴールを決めるなどインパクトを残し、リーグ優勝も経験している。
フアンフラン
所属したクラブ:サンパウロ
国籍:スペイン
アトレティコ・マドリーで長くプレーした名サイドバック。2019年にチームを離れることになった彼は欧州でのキャリアを終えることを決め、新しいチャレンジとしてブラジルの名門サンパウロに加入することにした。
ブラジルでの2年間でトロフィーを獲得することはできなかったものの、2020年に現役引退するまで多くの試合に出場し、名門サンパウロを応援する多くのファンに愛される存在になった。
コリン・カジム・リチャーズ
所属したクラブ:コリチーバ、コリンチャンス
国籍:トルコ、イングランド
イングランド生まれのトルコ代表選手であるカジム・リチャーズ。トルコ代表では37試合に出場し、そして7カ国の18クラブでプレーするなど旅人的選手として知られた。
トルコ、ギリシャ、スコットランドでトロフィーを獲得した彼はブラジルに渡り、コリチーバとコリンチャンスでプレーした。そしてパウリスタ選手権と全国選手権を優勝している。
クラレンス・セードルフ
所属したクラブ:ボタフォゴ
国籍:オランダ
アヤックス、レアル・マドリー、そしてミラン。3つのクラブでUEFAチャンピオンズリーグを制覇した前人未到の栄冠を持っているクラレンス・セードルフは、キャリアの最後をブラジルで過ごした。
ボタフォゴでブラジル全国選手権を戦っているとき、ミランから監督就任の要請を受けて現役を引退。志半ばでキャリアを終えることを決め、指導者として愛するクラブに戻っていった。
パブロ・マリ
所属したクラブ:フラメンゴ
国籍:スペイン
マンチェスター・シティから多くのクラブにローン移籍したあと、2019年にブラジル全国選手権の名門フラメンゴに加入したパブロ・マリ。クラブの歴史上3人目のスペイン人選手であったとのことだ。
ジョルジュ・ジェズス監督の信頼を受けて活躍し、半年後にはアーセナルへと引き抜かれている。現在はイタリア・セリエAのモンツァに所属。
ダビド・トレゼゲ
所属したクラブ:プラテンセ、リーベル・プレート、ニューウェルス
国籍:フランス
このリストに入れるのはおかしいかもしれない。トレゼゲはフランス代表の名選手だが、アルゼンチンで育ってプラテンセでデビューを果たしたという経歴を持っているからだ。
そのあと欧州へと渡ってモナコやユヴェントスでキャリアを重ね、そしてUAEのバニ・ヤスを経てアルゼンチンへと帰国。リーベル・プレートとニューウェルス・オールドボーイズに所属した。
デヤン・ペトコビッチ
所属したクラブ:ヴィトーリア、フラメンゴ、ヴァスコ・ダ・ガマ、サントスなど
国籍:セルビア
レアル・マドリーにも所属したことがあるユーゴスラヴィア代表の名選手。そして、欧州出身でありながらも南米で長くキャリアを重ねた珍しい人物でもある。
レアル・マドリーを1997年に退団したあとヴィトーリアに移籍し、それからフラメンゴ、ヴァスコ・ダ・ガマ、フルミネンセ、ゴイアス、アトレチコ・ミネイロなど名門を渡り歩いた。そして2011年、古巣フラメンゴでのプレーを最後に現役を引退した。なお今もブラジルで解説者を務めている。
ミカエル・ユラソウスキー
所属したクラブ:ボカ・ジュニオルス
国籍:ベルギー
アンデルレヒトのユースで育ったユラソウスキー。バルセロナでトライアルを受けたものの不合格に終わったという経験を持ち、その後ヘンクを経てボカ・ジュニオルスへと移籍したベルギー人選手。カルロス・ビアンチによってトップチームでデビューしたが、怪我や監督との衝突もあって退団した。
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それからはスペインやギリシャ、メキシコ、クロアチア、カナダなど様々な国を渡り歩き、比較的静かなキャリアを過ごした。