「ソースおとめ」商品化 佐野松桜高生ら、とちおとめ使用し開発

佐野松桜高商業部などが開発した「ソースおとめ」(家庭用)

 【佐野】佐野松桜高商業部などは県産イチゴのとちおとめを使い開発した無添加「ソースおとめ」を商品化し、販売を開始した。約1年かけた新商品は家庭用(300ミリリットル、490円)と業務用(1.8リットル、1900円)の2種類。部員たちは今月、市内の大型商業施設で販売し、1日の目標200個を達成した。部長で2年の小田原和未(おだわらなごみ)さん(16)は「手応えを感じた。今後は販売の本格化に向け、動画配信も含めPR方法などに工夫を凝らしたい」と意気込む。

 同部は実践的な商品開発や販売実習などに取り組んでいる。今回のプロジェクトは、ご当地グルメ「黒から揚げ」を展開する合同会社e街(いーまち)佐野奉行所から共同開発などの提案があり、昨年6月に着手した。

 多くの料理に合う「万能調味料」を開発目標に設定した。市場の健康志向の高まりを考え「無添加」に決め、地域貢献を念頭に「地場の食材」を活用することとした。「上品な甘さ」を出すための素材に、とちおとめを選択した。

 最適な甘味や酸味などの比率、適正な粘度を見つけるため、複数のサンプルの組み合わせを部員全員が一つ一つ舌で確かめながら微妙な調整を繰り返し、数カ月かけ納得のいく製品に仕上げた。商品パッケージは同校を印象付けようと、「松の緑」「桜の濃いピンク」を基調とした。

 1日には佐野新都市の「イオンモール」で部員たちが中心となり、家庭用を販売した。今後は東北自動車道佐野サービスエリア、JR宇都宮駅、東京スカイツリーの商業施設「東京ソラマチ」内の本県アンテナショップ「とちまるショップ」などでも売り出される予定。来月には佐野日大短大と連携し、「ソースおとめ」を使った新メニューの開発も進める。

 卒業生も含めプロジェクトには十数人の部員が関わり、商品化と販売にこぎ着けた。同部は「これからが重要。ヒット商品を目指し頑張りたい」としている。

商品化した「ソースおとめ」をPRする佐野松桜高商業部のメンバー

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