約10年ぶりのマネージャーに「ありがとう」木更津高専/夏の高校野球千葉大会

約10年ぶりのマネージャーに「ありがとう」木更津高専/夏の高校野球千葉大会

 7月13日、5年制の木更津高専の相手は1997年県大会で準優勝の経歴を持つ、流通経済大柏。 

 木更津高専は5回裏に7失点し逆転されて以降失速。5-12(8回コールド)で敗れたが、中盤まではリードする形で試合を進める粘りのプレーをみせた。

 この踏ん張りにはSNSでも「こんなに打つチームじゃない!」「例年より良い!」などと驚きの声が。

 電機系や機械系など様々な学科に分かれている野球部員。それぞれがレポート数も多く大変だったこともあったというが、しっかり練習時間は確保するため、両立しようと励んだという。

試合後の星野瞬主将(3年)
「これまで練習メニューも全て自分たちで考えてきたし、試合中のサインも自分たちで出してきた。この大会悔いないように戦うこと、が目標だったので、それは達成できたと思います」

 そんな選手たちを支えてきたのは、たった1人のマネージャー 西野美海(みみ)さん(3年)。

 兄の野球の応援に行っていたことから野球が好きになり、マネージャーとして入部することを決めた。 木更津高専としてはおよそ10年ぶりのマネージャーの入部だったという。

 先輩も後輩もいない中、たった1人でサポートし続けた2年半は、先輩から学べない分、何をするのが良いかどんなことが必要か、常に自分で考えながら過ごしてきた。

マネージャー 西野美海さん 「1人で辛いこともありましたが、3年間続けてこられて良かったなと思います。1年のときから同級生や後輩が成長していく姿を一番近くでみせてもらって、とても良い経験になりました」

「(チームメイトは)一生懸命頑張っているところはとても尊敬できるところ。とりあえずおつかれさまと伝えたいです」

 そんな西野さんに、試合後サプライズが!
 「マネージャー!」と呼ばれ前に出ると、2年生の長妻治栄選手が、これまでの感謝の言葉を口にした。

長妻 治栄選手
「2年半、野球部のマネージャーお疲れ様でした。自分は1年半しかマネージャー姿が見れませんでしたが、ノックのボール渡しや選手の体調管理など様々なサポートをして頂き、ありがとうございました。感謝してもしきれません。美海さんはいつもクールで、時々みせる笑顔にいつも癒されていました。本当はもう1年やってほしい気持ちはやまやまですが、そうはいきません。美海さんがいなくなってしまった新チームはとても大変になり、マネージャーの大切さを噛みしめ続けるでしょう、、」

 手紙のほかに、長妻選手が書いた「似顔絵のプレゼント」などが手渡されると、保護者からは「似てるー!」「良いね!!」と思わず声が。温かい笑顔と拍手が西野さんを包んだ。

マネージャー・西野美海さん
「普段ありがとうなんて言わないので、嬉しかったです。後輩たちには、私たちの記録を超えてほしい。みんなで助け合って、チームを作っていってもらいたいです」

 西野さんや3年生部員は今後、4・5年生が出場する「高専大会」に向けて、また努力の日々を続ける予定だ。

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