いしかわ動物園「ほしい物」募る ユキヒョウなど飼育環境を向上 サポーターと一体感醸成

善意で寄せられたバークチップで遊ぶユキヒョウ(いしかわ動物園提供)

  ●通販サイト活用

 いしかわ動物園(能美市)は14日、インターネット通販サイト「アマゾン」を活用し、動物の飼育に必要な物品を募る「ほしい物リスト」の受け付けを始める。人気のユキヒョウ、モルモットの飼育環境の向上、体調管理に必要なクッション材や乾燥機、おもちゃなどを飼育員が厳選。動物が豊かで幸せに過ごすための善意を県内外から募り、サポーターと一体となった園運営につなげる。

 サイト内で支援を募るのは、3月に子どもが生まれたユキヒョウの屋外展示場のクッション材「バークチップ」や、モルモットなど小動物用の乾燥機で、動物用おもちゃやケアブラシなども順次追加する。

 園ホームページからアクセスし、支援したい物品を選んで購入手続きを行えば、いしかわ動物園に届けられる。園内では現在、動物や魚など計200種約3500個体を飼育しており、入園者らから好みの動物に果物や物品を差し入れたいとの申し出が個別に寄せられることが多い。

 えさ代や電気代の高騰が続く中、必要な飼育物品を確保し、飼育環境がどのように改善されているのかについて理解を深めてもらおうと、6月4日から園内に「ほしいものリスト掲示板」を設置した。

 飼育員39人のニーズを聞き取って物品リストを集約。ツイッター、ホームページを活用して、バークチップや、モルモットやウサギの足裏ケアに用いるおがくずの運搬袋「フレコンバック」などの寄付を募ったところ、数日間で必要とする善意が集まった。

 県外から寄付を申し出るケースが多いことから、利便性を高めるため、全国の動物園の事例を参考に、14日からはアマゾンほしい物リストの利用を決めた。

 いしかわ動物園の松島一富園長と企画教育係の市保友恵さんは「善意を動物福祉向上に役立てたい。動物の暮らしぶりや、飼育の力の入れ方にも理解を深めてもらうきっかけにし、ファンとの一体感を高めたい」と話した。

おがくずを敷いて足裏ケアを楽しむモルモット(いしかわ動物園提供)

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