大雨浸水、破損70棟 石川県内15日まで警戒

大雨が止んだ後も、ガードレールの脚が隠れるほど濁水があふれた集落=13日午前11時半、かほく市多田

 石川県内で発生した線状降水帯などによる記録的な大雨で、かほく市と津幡町では13日、住宅70棟に破損や浸水の被害が確認された。けが人の情報はない。県内は14日昼前にかけて1時間に40ミリの激しい雨が降る所があり、15日も警報級の大雨が続く恐れがある。金沢地方気象台は土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意、警戒を呼び掛けた。

 北陸地方に停滞した活発な梅雨前線の影響で、13日も加賀中津原で1時間に46.5ミリの雨量を観測するなど、午前にかけ激しい雨が断続的に降った。かほくでは午前11時10分時点の24時間雨量が206.5ミリとなり、7月最多を更新した。

 今月7日午後9時の降り始めから13日午後5時までの降水量は、かほく277.5ミリ、白山白峰253.5ミリ、小松182.5ミリ、金沢154.5ミリなどとなった。

 かほく市では土砂の流入などで住宅7棟が一部破損し、4棟が床上浸水、46棟が床下浸水した。道路陥没の影響で若緑、箕打など4地区の116世帯が断水したが、午後までに解消した。

 津幡町では、床上浸水4棟、床下浸水9棟の被害が確認された。停電による送水タンクの停止で吉倉や平野など10地域の220世帯で断水が発生。復旧のめどは立っておらず、町は該当世帯に18リットルの水を配布した。同町の県森林公園では土砂崩れなどがあり、県は同公園の津幡園地を当面の間、休園とした。

  ●金沢競馬の厩舎被害

 金沢市では金沢競馬場の厩舎(きゅうしゃ)15棟が浸水した。二俣町の川魚養殖場は、土石流によって施設が損壊する被害を受けた。

 土砂崩れや道路の冠水も各地で多数確認された。

 かほく、津幡、内灘、加賀4市町に計15カ所の避難所が開設され、13日午後10時半時点で津幡町の2カ所に7人が避難した。小松市は13日夕、雨で地盤が緩んでいる恐れがあるとして4カ所に自主避難所を設けた。

 北陸電力送配電によると、12日夜以降、津幡、かほく、金沢3市町の計740戸が停電し、津幡町の30戸は13日午後10時半時点で解消されていない。

 津幡川、大海川など氾濫した7河川は13日朝までに水位が下がった。

 同日未明、加賀市と白山市に土砂災害警戒情報が発表されたが、県と気象台は前日夜に発表したかほく、津幡、内灘、宝達志水4市町を含めて朝に解除した。津幡町は萩坂、笠谷、英田地区に対する避難指示を午後に解除した。

 梅雨前線は14日には北上して北日本に停滞する見込み。同日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で加賀、能登とも120ミリ。その後の24時間は加賀50ミリ、能登50~100ミリと予想される。

 津幡町社会福祉協議会は災害ボランティア現地本部を開設し、15日から活動を始める。

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