犬が夜の散歩を嫌がる!考えられる3つの理由と飼い主にできる対策、慣れさせる方法まで

犬が夜の散歩を嫌がる理由

犬が夜の散歩を嫌がる場合、どのような理由が考えられるでしょうか。

1.暗い場所で怖い経験をした

犬は、過去に暗い場所に閉じ込められるというような怖い経験をすると、その時と似たような状況が怖くなってしまうことがあります。虐待を受けた犬には、とくに多く見られます。

虐待を受けていなくても、停電が起きたときに飼い主が焦っていたから怖いなど、それまでの経験が関係しています。

また、犬は人の感情を読み取るのが上手い動物です。夜だから不審者が出るのでは、と飼い主自身が夜の散歩に対して緊張をしていると、その緊張感が犬に伝わってしまい、飼い主を困らせる夜の散歩が嫌になってしまうことがあります。

2.社会化不足

あまり散歩をした経験がない犬は夜になってからの散歩を嫌がることがあります。夜は人の気配が少なく、地域によっては昼にはいない野生動物が出てきます。

散歩デビューしたばかりの子犬や、成犬でも狭い範囲でしか過ごしてこなかった犬に起こりがちです。

このような場合は、無理しない程度に少しずつ慣れさせるしかありません。飼い主さんが「夜の散歩はこんなに楽しいよ♪」と一緒に楽しめるように演出してあげながら社会化を進めてあげることで、徐々に慣れて嫌がらなくなるでしょう。

3.目の病気

犬の目にはタペタム層という膜があり、光を集められるので夜も昼と同じくらい景色を明るく見ることができます。そのため、視界が悪くて嫌だということはありません。

シベリアンハスキーなどの青い目の犬種にはこのタペタム層がないので、夜になると見えづらいでしょう。

また、暗い場所で怖がる、つまづくなどの行動を見せる犬は、そもそも目が悪いのかもしれません。若いときには問題がなくても、高齢になると目が悪くなる犬は多いです。気になる場合は獣医師に相談してください。

犬を夜の散歩に慣れさせる方法

では、夜の散歩を嫌がる犬を慣れさせるにはどのような方法があるのでしょうか。

明るい場所から徐々に慣らす

暗闇が苦手な犬は、まず夜でも明るい場所を散歩してみましょう。散歩コースが暗ければ車や抱っこで移動し、公園の街灯の下や駐車場だけを歩いてみてください。

散歩を始めて犬が怖がっていたらオスワリやフセをさせてコントロールします。怖がっているからと甘やかしていたら、犬はますます怖がるようになってしまいます。

「オスワリ」や「フセ」が上手くできなくても、真っすぐ歩けたら褒めてあげてください。犬が怖がっても飼い主が落ち着くことが大事です。

また、散歩コースは周囲を塀などで囲まれていない、見通しの良い場所を選んであげましょう。慣れてきたら範囲を広げていきます。

狭い空間が落ち着くという犬は多いですが、虐待などのトラウマがある犬は閉鎖的な空間が苦手なこともあります。愛犬はどんなときに怖がるのが普段の行動をよく観察してください。

人通りのある安全な場所を散歩する

夜の散歩は飼い主にとっても危険です。不審者に遭う可能性や、視界が悪くて車に轢かれる可能性も高くなります。特に犬は夜道で車から見えないことが多く、轢かれそうになったという話はたくさんあります。

吠え癖があるから夜に散歩に行くという人もいますが、穏やかな犬に育てるには他の犬や人と会うことも必要です。

人混みでなくても公園・駅前・街の中や近くといった灯りの見える安全な場所を歩き、光る首輪やリードなどを着けて散歩に行ってください。

散歩での楽しみをつくる

散歩に行くとおやつがもらえる、好きな人に会えるなどの楽しみがあると、犬は散歩を嫌いでなくなります。

歩く際にはおやつをあげる地点を決めて、徐々に距離を伸ばしていきましょう。犬は「ここまで行けばおやつがもらえる」と覚えてがんばってくれます。

まとめ

夜部屋の電気を消すと吠える、落ち着きがなくなるといった暗所恐怖症の犬はいます。ですが、夏涼しくなってからの散歩に行けない、災害時に避難することになったら周囲に迷惑をかけるなど別の問題が起きてしまうので、必ず克服しておくべきです。

犬が経験を積むことは大事ですが、無理やりやらせては逆効果になってしまいます。犬がその場から動かなくても、ニオイを嗅いで情報収集するだけで経験になります。

飼い主はきつい口調になったり甘やかしたりせず、普段と同じ態度で接してください。夜道でも飼い主が変わらず怖いことが起こらないとわかったら、犬も楽しく散歩できるようになるでしょう。

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