全国高校総体出場校紹介 ソフトテニス女子 経験値高く、全国で上位を目指す明豊 【大分県】

女子ソフトテニスは、明豊が4年連続で全国高校総体への出場権を獲得した。「九州大会、全国大会、国体に出場して、経験値はこれまでで一番高い」と吉良洋介監督。練習だけで培うことが難しい経験を積み重ねて、「試合運びがうまいペアが増えた」ことはチーム全体の強みとなっている。また、中高一貫6年間の指導が開花した。九州や全国で結果を残してきた明豊中学1、2期生が現在高校1、2年生となり、中学からの下積みが勢いとなっている。

県高校総体では盤石な試合運びで団体戦優勝、個人戦でもベスト8のうち七つを独占したが、吉良監督は「思わぬ敗戦もあった。上位層の強化はできたが、底上げが完璧ではなかった」と厳しい視点で振り返る。その理由は、「全国高校総体で上位を目指すために、県を独占する」という目標を掲げていたからだ。団体戦は圧倒的な力で優勝し、個人戦でもある程度の結果は残せたものの、課題も多く見つかった大会だった。

中高一貫での強化が結果に結びついた

県高校総体での経験は、「失敗から気づきを得てほしい」という吉良監督の言葉どおり、良い影響をもたらしている。ミスをしないことよりも、ミスの次のプレーでいかに取り戻すかを考える力を身に付け始めている。一人一人の技術力は決して全国に劣らないが、「日頃の練習から、ペアの相手、チーム全体へとコミュニケーションをもっと密に取り合うことも重要」(吉良監督)。その教えを意識し、練習中も1プレーごとにお互いに声を掛け合う姿が見られ、チームとしての結束力はさらに高まっているようだ。

全国高校総体では、「まずは自分に負けてほしくない。全員がその意識を持って戦えばチーム全体の力になる」と吉良監督。これまで全国選抜大会や国体も含めて格上相手には、あと少しを詰め切れずに負けていることから、攻めの姿勢を崩さずに戦い抜いてほしいと期待する。選手たちは、そのために必要な決断力や判断力を強化しながら本番に照準を合わせている。

全国高校総体では攻めの姿勢を貫く

(黒木ゆか)

© オー!エス! OITA SPORTS