第105回全国高校野球長崎大会・第6日 長崎北がシード鎮西学院破る

【2回戦、鎮西学院―長崎北】10回裏長崎北2死満塁、副島が左中間に逆転サヨナラ二塁打を放つ=諫早市、スポーツパークいさはや第1野球場

 第105回全国高校野球選手権記念長崎大会第6日は13日、長崎県長崎市の県営ビッグNスタジアムなどで2回戦8試合が行われ、長崎北が第4シード鎮西学院に延長十回タイブレークの末、4-3で逆転サヨナラ勝ちした。このほか、大崎、長崎日大、海星、創成館、九州文化学園、長崎商、島原が3回戦へ進んだ。
 大崎は長崎西に8-2で快勝。長崎日大は長崎北陽台に3-0、海星は小浜に5-0、創成館は壱岐商に5-0、長崎商は国見・口加・島原翔南・諫早商に6-0とそれぞれ無失点で退けた。九州文化学園は長崎南山を6-1で下し、島原は西海学園に9-2で七回コールド勝ちした。
 第7日は14日、ビッグNなどで2回戦残り8試合を実施する。

◎長崎北 10回、副島が逆転サヨナラ打

 延長十回裏2死満塁、2点を追う長崎北の打席には身長160センチ、体重59キロの副島。チームの運命を託されたしびれる場面の初球だった。小柄な体をフル回転させて捉えた白球は、左中間を破る逆転サヨナラ打。6月のNHK杯県大会準V校で第4シードの鎮西学院を打ち破った2年生ヒーローは「今までにない興奮」と胸を張った。
 選手は登録枠の20人に満たない。3人しかいない3年生の一人、エース左腕の木下が注目される中、この日は“全員野球”が際立った。最終的に今大会初のタイブレークで決着したが、そこまでの戦いぶりにも球場は沸いた。
 特に二回の攻防は見応えがあった。2死二塁のピンチで中前へ運ばれたが、副島が完璧なバックホームを見せて先制点を阻止。その裏、同じ2死二塁から森本が右前打を放ち、二走溝田が一気に本塁を突いた。
 八回に失策から同点とされ、九回も攻め込まれた場面は大黒柱の木下が奮起。疲れを見せず球速は130キロ台後半を記録し、気迫も前面に出して仲間を鼓舞した。全員で粘り強く、誰かのミスはカバーする。県立普通校の選手たちが束になって戦い続けた結果がドラマを生み、昨秋は0-10で大敗していた相手を前に大きな成長を示した。
 次は6年ぶりの8強入りが懸かる3回戦。木下は仲間たちへの感謝を強調した上で「変に上を見過ぎたらいけない。一戦一戦を大事に戦っていくことは変わらない」と全員の思いを代弁した。


© 株式会社長崎新聞社