◆日大藤沢5-2海老名
海老名先発のサブマリン攻略に苦しんでいた日大藤沢は「日頃から隙を突いたプレーを狙っている」という3番牧原賢が本盗で突破口を開いた。
0―0の四回1死。チーム初安打で出塁すると、2死から放った斎藤の中前打で一気に三塁へ。直後に生まれた一瞬の隙を見逃さなかった。
一塁側を向いてロジンバッグに手をやり、一息つく相手右腕。「行けると思った」。忍者のように気配を消してスタートを切りホームスチール。続く杉山の適時打で加点して流れを引き寄せた。
「野球勘が非常に高い」と山本秀明監督(53)の信頼は厚い。2020年のドラフト3位でソフトバンク入りした兄・巧汰の背中を追い、一つ上の寛汰とともに日大藤沢へ。同じ2年夏に3本塁打を放って脚光を浴びた長兄は尊敬する存在だ。
「(ベンチ入りできず)スタンドに行く3年生もいる。とにかく思い切りやれ」。そんな助言を胸に2年目の夏に臨んでいる。「三兄弟で日藤に入っているので絶対に甲子園に行きたい」と牧原賢。憧れの聖地まで全力疾走を貫く。