ルビーロマン、1房160万円 台湾の経営者購入「高くない」

競り落としたルビーロマンを手にする購入者=14日午前6時15分、金沢市中央卸売市場

  ●5年連続で最高値更新

 石川県産高級ブドウ「ルビーロマン」の初競りが14日、金沢市中央卸売市場で行われた。加賀、金沢、かほくの3市から出荷された148房のうち、重さ約1キロの1房が、最高値の160万円で競り落とされた。最高値は昨年の150万円を上回り、5年連続で過去最高を更新した。最高値の品は台湾のスーパーマーケット経営者が購入し、現地で販売される。

 金沢市内の卸業者が落札し、台湾で富裕層向けスーパー3店舗を経営する「裕源」(神奈川県厚木市)の謝明達(しゃめいたつ)社長(68)が購入した。2021年の初競りでも当時の最高額で購入しており、タイや香港など国外からも注文が相次いだ。

 謝社長は、最高値を含む10房を台湾に送り、展示販売する予定で「ルビーロマンの品質や香り、食感は世界一ではないか。農家や関係者みんなが努力しており、(160万円は)高いとは思わない」と語った。

 最高値のルビーロマンは、粒一つの重さが30グラム以上の等級「特秀G」に当たる。実は33粒付いており、1粒約4万8千円にもなる。市場デビュー16年目で、初競りに1キロ以上の品が出るのは初めて。このほかのルビーロマンは8千~10万円の値が付いた。

  ●大雨の影響懸念

 JA全農いしかわや石川県によると、ルビーロマンは1粒が20グラム以上あり、糖度18度以上の甘さが特長で、今年は順調に生育している。

 12日から続く大雨については、今のところ影響は出ていない。ただ、雨が長く続くと、果樹が水分を吸収しすぎて果実が急に大きくなり、割れてしまうことが懸念されるという。

 今年は生産者112人が約10.5ヘクタールの畑で栽培しており、9月下旬までに3万房の出荷を目指す。

 セレモニーでは西沢耕一JA県中央会長、生産者でつくるルビーロマン研究会の荒川達夫会長があいさつした。

© 株式会社北國新聞社