ビリー・アイリッシュ、映画『バービー』のために曲を制作したことで自信喪失から抜け出せたと明かす

現地時間2023年7月13日、ビリー・アイリッシュが自ら監督を務めた新曲「What Was I Made For?」のミュージック・ビデオを公開した。最新インタビューで、彼女は映画『バービー』のサウンドトラックからのシングルとなった同曲のおかげで、兄でプロデューサーのフィニアスとともに自信喪失に悩まされていた過酷な作曲のスランプから抜け出すことができたと明かした。

ビリーは、「正直なところ、私たち2人とも……去年の冬は、信じられないほどインスピレーションがない時期でした」とApple Music 1のゼイン・ロウに語った。「それでも、私たちは作曲を続け、何かを作ろうとしていました。正直な話、あの曲は私たちが久しぶりに書いた曲なんです。それまで色々なアイデアは浮かんでいたのですが、曲の前半を書いた後、“私たちはまだいける”って思ったのを覚えています」と当時を振り返った。

また、監督のグレタ・ガーウィグがビリーとフィニアスをワーナー・ブラザース・スタジオで行われた未完成の『バービー』の特別鑑賞会に招待したことから作曲のプロセスが始まったと明かした。鑑賞会の翌日も映画とは無関係に作曲がうまくいかなかったビリーとフィニアスだが、思い付きで“私は何のために作られたの?(What Was I Made For?)”というバービーの視点で曲と書こうとしたことで、ソングライティングのスランプはすぐに消えたようだ。

ビリーは、「私たちは本当に、自分たちを見失ったような、もうこれ以上やっていけるかどうかわからないというような気持ちでした」と付け加えた。「“バービー”とグレタが私を(スランプから)脱却させてくれました」と述べ、「最初の歌詞の“I used to float, now I just fall down(かつては浮いていたのに、今はただ落ちていくだけ)”はすぐに出てきました」と続けた。

曲作りの過程で最も感動的だったことのひとつは、マーゴット・ロビー演じる主人公バービーの視点から書いた曲の歌詞が、意図していなかったものの、どういうわけか一周回って、ビリー自身の心情を表していることに気づいたことだと付け加えた。

「作曲の過程で自分のことは一度も考えませんでした」と彼女は説明し、「私は純粋にこの映画と登場人物、そして彼女が感じるであろうと思ったことにインスパイアされ、そのことについて書きました。でも、それから数日後、曲を聴きながら、どうやってやったんだろう……うぬぼれるつもりは全くないのですが……知らないうちに、自分のために書いているんです」と振り返った。

「人生で経験できることの中で、最も信じられないことの1つです」とビリーは続けた。「次の週、私は一日中車の中でこの曲をかけて、みんなに聴かせました。“これはまさに私が感じていることで、それを言うつもりはなかった”という感じでした。今までの人生で経験した中で最もトリッピーな体験でした。自分のことについて間違いなく書いているのに、自分自身を第三者の立場から捉えているような感じでした」と説明した。

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