藤井七冠が2連勝、王位4連覇に弾み 将棋王位戦 立会人の福崎九段「優れた大局観を発揮」

立会人の福崎文吾九段(右)から封じ手を示される佐々木大地七段(左)。中央は藤井聡太王位=14日午前、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・斎藤雅志)

 将棋の藤井聡太王位(20)=竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖=に佐々木大地七段(28)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第2局は14日午前9時から、神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で指し継がれ、午後5時9分、後手番の藤井が98手までで勝った。藤井は対戦成績を2勝0敗とし、4連覇に向け弾みをつけた。

 先手番の佐々木が得意の相掛かりの戦型に持ち込んで果敢に攻めたが、藤井が的確に対応して流れを引き寄せ、盤上を制圧した。立会人の福崎文吾九段(63)は「佐々木七段が一撃必殺で襲いかかり、藤井王位は慎重に切っ先をかわしたような将棋で、優れた大局観を発揮した」と振り返った。(小林伸哉)

■藤井王位「最後は一手勝ち」

 積極的な4五銀(35手目)に対し、3三桂(36手目)と引っ張り込む形での対応となった。封じ手の7四角成(44手目)は、8三に成る形との比較が難しかった。大駒を切って攻めていく形になったが難しいと思う。最後は一手勝ちの形になったのかな。

■佐々木七段「暴走して厳しく」

 4五銀(35手目)と暴走したのが厳しくなった原因。4七角(38手目)の切り返しを見ていなくて、中身が伴わない長考になってしまった。5四歩(62手目)と柔らかく受けられてしまった。中盤以降も的確に指され、課題が山積み。しっかり修正したい。

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