社会人野球の熱い戦いが始まります。14日、開幕の都市対抗野球大会に中国地区第1代表で出場するJFE西日本(広島・福山市)を取材しました。カギを握るのは、「プロ野球ドラフト解禁となる入社2年目の選手」です。
3勝0敗。総得点46に対し、失点は1。JFE西日本は、中国地区2次予選の3試合全てをコールド勝ち。内田聡 監督のもと、圧倒的な内容で2年連続となる都市対抗の本戦出場を決めました。
JFE西日本 内田聡 監督
「(カープの)新井監督じゃないですけど、われわれも1つのチーム “家族” なんだから、みんなで支え合って必ず勝とうという思いが1つになって予選の結果につながったと思う。バッテリーを中心に守りでリズムを作って攻撃につなげていこうと。まずは守りだよと。プロ解禁となる2年目の選手、すごい成長をしたなっていうのを2年目の選手にはよく感じます」
チームで掲げるのは、「守り勝つ野球」。
それを支えるピッチャー陣の中で頭角を表してきた “入社2年目の選手” が、筒井恒匡(つねまさ)。速球を軸に三振を奪う右の本格派投手です。
JFE西日本 筒井恒匡 投手
「(自分は)ホップするストレートと落ちるフォークで三振を取っていくピッチャー。取りたい場面で三振が取れるようなピッチングがしたいです」
ストレートの最速は150キロ。ただ入社当時の最高球速は145キロだったといいます。そこからフォームの修正とトレーニングで150キロの直球が安定して出せるまでになりました。
筒井恒匡 投手
「けっこうウエイトトレーニングを多く入れるようになってから球速も出始めて。大学のときは下半身だけしかやっていなかったけど、上半身もやるようになって球速が出るようになった。社会人に来て、プロを目指せる選手になれているのかなと思うので、プロに行きたいという思いはやっぱりあるので、都市対抗でもいい結果が出せれば」
そして、もう1人注目の “入社2年目選手” が、身長185センチの走攻守そろった大型内野手・新田旬希 です。「打席での冷静さ」を常に心掛けるという23歳は、6番打者として予選の3試合でも8打点を挙げました。
JFE西日本 新田旬希 選手
「自分の長所は “勝負強さ” 。勝負強さは打点という形で出てくると思うので、打点を多くしたい」
実はこの新田、地元・広島出身。市立呉高校在学中にはキャプテンとして春のセンバツで甲子園の土を踏んでいます。
新田旬希 選手(高校3年時)
「甲子園で1勝することが目標で、まずは目の前の試合で絶対に勝つっていうのが目標なので、それを意識してやっていきたいと思う」
その後は駒澤大学へ進学。中日からドラフト2位指名を受けた 鵜飼航丞 を同期に持ち、「その鵜飼に負けないように」と2年間、鍛え続けてきました。今ではJFE西日本の主力として、プロのスカウトも注目する選手へと成長しています。
新田旬希 選手
「1年間戦える体をこの2年で作れたと思う。大学のときもプロ志望届を出したので意識するところはあるけど、意識すると試合に集中できないので、試合に集中して勝つことだけを考えてやりたい。チームとしての目標はベスト4。そこへ行くために自分が得点圏で打ったり、守備でも役割を果たせたら、おのずとチームとしても個人としても結果がついてくると思うので、個人個人にならずチームの勝利のためにがんばりたい」
JFE西日本は、7月16日(日)、SUBARUと初戦を迎えます。