ヤギ、今年も除草に活躍 富山国際大生ら実験2年目、敷地内に親子3匹放牧

学生と教員の世話を受け、草を食べるヤギ

 富山市東黒牧(大山)の富山国際大東黒牧キャンパスは、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、ヤギを飼育し除草の効率化につなげる実証実験を先月から敷地内で行っている。2年目の取り組みで、今年は飼育する数を増やし柵を設けて放牧することにした。今月上旬には思いがけず子ヤギも誕生し、学生たちは実証実験に加えヤギの世話に励んでいる。

 中山間地にあり雑草の多い東黒牧キャンパスでは、草刈り機を使う労力や燃料を減らすことでSDGsを推進しようと、昨年秋からヤギによる除草を現代社会学部の学生と教員が行っている。

 昨年はヤギ1匹を市内の農場から借り入れた。1カ月で約380平方メートルの面積を除草することを確認。加えて学生へのアンケートでは、95%以上からヤギに対する好意的な声が寄せられたため、大規模化して今年も行うことにした。

 今回は、雄のタロウ(3歳)と雌のハナコ(同)の2匹を借り入れた。約600平方メートルの敷地を木の柵で囲い、放牧し自由に雑草を食べさせている。3日には、タロウとハナコの間に雌のユキも産まれ、学生と職員から人気を集めている。実施期間は5カ月で、1~4年生15人が世話をする。

 来年以降も冬を除き行う予定で、除草や飼育方法の確立を目指す。中心となり活動するSDGsサークル長の嘉藤光奈美さん(21)は「今回は生命の誕生という神秘的な出来事があった。これからもしっかり世話をして、良い成果を出したい」と笑顔を見せた。

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