なでしこジャパンは14日、女子ワールドカップ2023の壮行試合「MS＆ADカップ2023」と対戦し、5－0と大勝した。
この日2得点を挙げたMF長谷川唯（イングランド1部マンチェスター・シティ）は、ワールドカップ本大会に向けて闘志を燃やしていた。
試合後に長谷川は報道陣の取材に応じた。
――ボランチながら2得点を取れた要因を教えてください。
自分自身ボランチでプレーしていて、一緒に組んでいる（長野）風花と、どっちかが前、バランスを取るところを意識してやっていく中で、ここ最近の日本代表の試合で中々得点が取れていなかった。
それを課題に挙げていた中で、自分自身が前目でプレーしました。お互いが分かったうえで、試合に臨んだので、それが実ったと思います。
――前大会にもメンバーとして選出されましたが、今大会はどう成長した姿を見せたいですか。
メンバーは違うので、新しいチームでどこまでできるか。もちろん個人としてのプレーで、前回大会よりいいプレー、成長した姿を見せられるようにというところはありますけど、それは個人的なところ。
別のチームなので、このチームの良さを出して上に上がれたらいいと思います。
前回大会を経て成長したリーダーシップ
――前回大会と、いまとで長谷川選手が一番変わったところはどこでしょうか。
プレーの幅が広がったかなと思っていて。前回大会はサイドをやることが多かった。今回は中のポジションで、得意な部分でできる。もっとゴールに直結するパスや、チャンスメイクは幅が広がっているんじゃないかと思う。
また守備のところでしっかり前を動かして、どこで取るのか、どこで奪えるのかというところを自分自身がリーダーシップを取って、（選手を）動かせるところが前回大会と違うところかと思いました。
――きょうは守備の部分でリーダーシップを発揮できましたか。
そうですね。前半は少し相手がボールを回している中で、プレッシャーに行く位置が少し低かったとやりながら感じていた。
それをフォワードに伝えるところや、取られた瞬間の切り替えがきょうは少し遅いところが最初にあった。そこの切り替えていこうというところは、後ろも含めて全員で話し合えて、試合中にしっかり改善できたと思います。
――自分たちが準備していたものを出すことはできましたか。
きょうの相手だと難しいところもあって、自分たちがうまくプレッシャーをかけられてなくても取れてしまう場面もありました。
本大会ではもっと速い選手や、もっとボールの回し方がうまいチームがあると思う。その中できょうの相手に対してどうやるかというのをしっかりチームでできたかなと思っていて。
後ろが蹴られても、きょうは後ろが勝てるという状況だった。ある程度マンツーマンのようになってしまっても、いいような行き方も途中からできていました。それをしっかり後ろが跳ね返してこぼれ球を拾えていた。試合の中で相手に合わせて、しっかり戦い方を変えられたと思います。
レジェンド澤さんからの称賛
――試合後のセレモニーでは澤穂希さんが参加されていましたけど、話はしましたか。
「ボランチが点を取れるというのは大事だよね」という話をしました。自分自身もそこをいままでの合宿で思っていたところなので、それを（澤さんに）伝えた中で、「きょうは本当にボランチのところ良かったね」と言ってもらえました。
自分が前に出たところも、得点できたところも「本当に今日は良かったよ」と言ってもらえた。そこは良かったと思いますけど、それに満足せず、もっといいプレーを見せられるように今大会を頑張りたいと思います。
――生まれ故郷の宮城県で、仙台の人たちに活躍を見せられた点はいかがでしたか。
生まれた場所は自分にとっても特別です。特に両親はきょう来て懐かしいところを回って、そういう機会を得られたのは良かったなと思います。
たくさんの人に見てもらえて、自分自身本当に力になりました。宮城、仙台だからというところも少しあるので、それも含めてきょう得点という形で見せられたのは良かったと思います。
――W杯の地上波放送がやっと決まりました。
なかなか難しいかなと思っていた中で決まったのもあって、本当にうれしく思います。いろんな人に見てもらいたいと思っていた。サッカーに興味がある人も、興味がない人もこれから興味を持ってもらえるように、サッカーは面白いんだなと思ってもらえるようなプレーや、試合を見せたいと思う。
決まったからには責任もありますし、しっかり日本を背負って戦いたいと思います。
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W杯に向けて闘志を燃やす長谷川は、どこかW杯2011年大会で神がかった活躍をした澤穂希さんに重なって見えた。背番号14の活躍に期待したい。
