介護施設の3割、遠隔カメラ設置 5割以上が「事故検証に効果」

 日本総合研究所は15日までに、介護施設の約3割が入所者の行動を遠隔で確認できる「見守りカメラ」を設置しているとする調査結果を公表した。実感した効果について、5割以上が「居室内で事故が起きた際の検証に役立てられる」と回答。一方、約3割が「プライバシーへの配慮が困難」と答えた。導入しない理由も「プライバシーの観点からの懸念」が多数を占めた。

 けがをした理由や経緯を正確に説明できない入所者も多く、カメラ設置により転倒や転落などの事故の検証、再発防止を期待できる一方、私生活が丸裸になる恐れがあり、導入に二の足を踏む施設側の苦悩が浮かび上がった形だ。

 調査は、厚生労働省の補助事業として日本総研が昨年11~12月に実施。2019~21年度に自治体の補助金を活用してセンサーなどの見守り機器を購入した全国2872施設が対象で、うち約千施設から回答を得た。

 カメラ導入で感じられた効果では、約55%が「事故の検証」に「非常に効果がある」としたほか、「転倒・転落事故の防止や早期発見」が約37%を占めた。

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