第105回全国高校野球長崎大会・第7日 瓊浦、佐世保実に逆転勝ち

【2回戦、佐世保実-瓊浦】11回を投げ抜いた瓊浦の矢野=諫早市、スポーツパークいさはや第1野球場

 第105回全国高校野球選手権記念長崎大会第7日は14日、長崎市の県営ビッグNスタジアムなどで2回戦8試合が行われ、瓊浦、長崎総合科学大付、壱岐、清峰などが3回戦へ進んだ。
 瓊浦は佐世保実に延長十一回タイブレーク5-4でサヨナラ勝ち。壱岐は諫早農に4-2で競り勝った。長崎総合科学大付は波佐見に3-2、島原中央は五島に4-3、大村工は長崎明誠に5-3でそれぞれ逆転勝ち。清峰は川棚に5-0で快勝し、大村は上対馬・長崎鶴洋・西彼杵を10-3の七回コールドで退けた。
 長崎工-西陵は、9-6とリードしている長崎工が九回表1死一、三塁で攻撃中に雨天中断。再開できず、15日午前10時から、諫早市のスポーツパークいさはや第1野球場で継続試合となった。15日は休養日の予定だったため、3回戦が始まる16日以降の日程は変更しない。

◎瓊浦・エース矢野が熱投 タイブレーク制す

 甲子園出場経験がある伝統校同士の熱戦は、瓊浦がタイブレークの末に佐世保実を逆転サヨナラで退けた。無死一、二塁から始まる延長十、十一回はそれぞれ表の守備で1失点した後、裏の攻撃で2死から同点、逆転打。劇的ドラマを生んだのは厳しい展開でも一人でマウンドを守り抜いた2年生矢野の熱投だった。
 入学後すぐに背番号1を託され、重圧と闘ってきた。冬場に球速を136キロまで伸ばし、元々あった制球力に球威も備えて迎えた2度目の夏。1回戦は救援登板して3回1/3を無失点と好発進すると、この日は先発起用に粘投で応え、強気な姿勢も随所で見せた。
 序盤は制球が定まらずに先行を許し、その後も得点圏に走者を進められる厳しい展開。それでも「俺がエース。マウンドを下りるわけにはいかない」と奮起した。直球主体から、後半は変化球で内角を突く配球に変更。気迫で守り抜き、延長2イニングもタイブレークでは許容範囲といえる1点ずつに抑えた。
 これで今季最高の3回戦進出。次は清峰とぶつかる。徐々に存在感を発揮してきた右腕は「1日しか間がないけど、きょう出た課題を修正して完封するつもりで自分がチームを引っ張り、シード校を倒したい」と誓っていた。


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