虐待批判「上げ馬神事」見直しへ 三重の多度大社「安全な形で」

多度大社の「上げ馬神事」で、坂に向かって駆け出す馬=5月、三重県桑名市

 三重県桑名市の多度大社で毎年5月に行われる「上げ馬神事」が動物虐待と批判を受けている問題で、神事を運営する氏子と大社は神事の内容見直しを決めたことが15日、大社への取材で分かった。詳細は今後検討していく。

 問題を巡り、県は6月の事故防止対策協議会で、馬が駆け上がる坂の勾配を緩やかにしたり、馬をたたく行為をやめたりするよう指導。氏子と大社は今月7日、県や市と改めて協議し、内容を見直す方針を決めたという。大社の担当者は「動物愛護の観点から、人も馬も安全な形で実施したい」と話した。

 上げ馬神事は、馬が坂の上に設置された高さ約2メートルの土壁を越えた回数で農作物の豊凶などを占う伝統行事。最近十数年で馬計4頭がけがをして安楽死させられ「虐待ではないか」との批判が出ていた。

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