ランボルギーニSC63、残るふたりのドライバーは「すでに決定」。2025年は増車の可能性も

 2024年にWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップへデビューするランボルギーニSC63のドライバーについて、モータースポーツ・ボスであるジョルジオ・サンナは、残る2名はランボルギーニ・スクアドラ・コルセに所属していないドライバーから招くことになる予定だと述べている。

 ランボルギーニはアイアン・リンクスと共同で、欧米の両シリーズに1台ずつ新型LMDh『SC63』を投入する。これは、ル・マン24時間レースにおいて2台をエントリーさせることを想定したものだ。

 現在のところ、ロマン・グロージャン、ダニール・クビアト、アンドレア・カルダレッリ、ミルコ・ボルトロッティの4名がレースドライバーとして決定している。

「残るの2名のドライバーは、シーズン終了後に発表される。我々にはある程度の忍耐が必要だ」とサンナは語っている。

 メルセデスAMG GT3のトップドライバーであるラファエーレ・マルチェッロは昨年、このプログラムへの参加が噂されていたが、その後2023年シーズンまでメルセデスとの契約を延長していることから、このスイス系イタリア人のシート獲得の可能性については明確になっていない。

 シミュレーターでの走行経験はまだないものの、ふたりのドライバーについては「すでに決定している」とサンナは語っている。

「我々は、シーズンの終わりに、最終的なマシンのカラーリングとふたつの選手権におけるドライバーのラインアップを発表することを待っている」

「我々はさまざまな前提に基づき、ドライバーを決定している。アンドレアとミルコに関しては、我々の既存のラインアップからLMDhをドライブするのに適したスキルを持つドライバーふたりを選んだものと、私は信じている」

「今年、WECとIMSAのシーズン中に、LMDhやLMHで活躍するGT出身のトップドライバーが何人かいることを、我々はすでに目にしている」

「つまり、アンドレアやミルコのような、シングルシーターやハイダウンフォースカーで経験を積んだ最高のGTドライバーを起用するのが正しいということだ」

「そして、それぞれのキャラクターをミックスさせる。ダニールやロマンのようにF1での経験と能力、特にハイブリッドパワートレインとこのタイプのマシンの洗練性をもたらすドライバーと組み合わせるのだ」

「彼らはまた、F1出身という意味で、組織という点で最大限のものにおける仕事の方法論ももたらしてくれる。残るふたりについては、シーズン終了後に明らかにすることになるが、いま私が説明したスキルをミックスすることになる」

 ランボルギーニのファクトリーGT3ドライバーの中で、LMDhの活動に参加することが決まっているのはカルダレッリとボルトロッティだけだが、サンナは以前、ワークスパイロット全員がさまざまな形でこのクルマの開発プロセスに関わることになるだろうと述べていた。

■まずはアイアン・リンクスにベストを尽くす

 サンナはまた、追加カスタマーの可能性を否定しながらも、来年のプログラムを作り上げた後、アイアン・リンクスがさらなるSC63を投入する可能性を示唆している。

「どちらのチャンピオンシップも非常に重要なものであるため、我々はおそらく追加車両をWECにエントリーさせるか、IMSAでのコミットメントを増すことを検討するだろう」

「想像できるように、それらは常に予算とリンクした問題であり、適切な方法でプログラムをサポートできる能力がなければならない」

「いま現在、我々がカスタマーカーの追加に興味を示さないのは、例えばGT3で行っているような全チームに最高のサポートを保証できるような体制を、我々が持っていないからだ。(ポルシェなど)他のマニュファクチャラーにはそれがあるだろうけども」

「だが、GTで我々は、そんな体制を5〜6年かけて作り上げた」

「我々は(できるだけ多くの)マシンを送り込むために、ここにいるわけではない。このプログラムで競争力をつけるためにここにいるのであり、そのためにはまず経験を積み、ベースとなるチームであるアイアン・リンクスにベストを尽くしたい」

「そのあと、いつ追加車両や追加チームを持つチャンスがあるかを評価することになる」

7月13日にランボルギーニが初公開した新型LMDh車両、SC63

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