牧野任祐がデビュー戦以来4年ぶりのポール獲得。好調ホンダエンジン勢がトップ4独占【SF第6戦予選レポート】

 7月15日(土)、2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の公式予選が静岡県の富士スピードウェイで行われ、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が自身2度目のポールポジションを獲得。2番手にはリアム・ローソン(TEAM MUGEN)、3番手には太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続き、ホンダエンジン勢が上位を独占する結果となった。

 全9戦で争われる今シーズンのスーパーフォーミュラは、今大会から後半戦へ突入。今回からVANTELIN TEAM TOM’Sの36号車は、第5戦SUGOまで同マシンをドライブしていたジュリアーノ・アレジに代わって笹原右京がドライブすることに。また、大湯都史樹(TGM Grand Prix)がトレーニング中のけがにより欠場することが14日(金)にアナウンスされ、大津弘樹が代役として53号車に乗ることとなった。

 ここ数日は真夏の陽気が続いていたが、この日は朝から分厚い雲が上空に立ち込め、午前中のフリー走行も気温24度、路面温度28度でスタート。14時20分からの公式予選も気温25度、路面温度29と比較的しのぎやすい暑さのなかで行われた。

 Q1のA組は、小高一斗(KONDO RACING)、牧野、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、 福住仁嶺(ThreeBond Racing)、ローソン、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、大津、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)の11名が出走。

 松下と大津がややタイミングをずらしたが、この組では全車がセッション開始早々にコースイン。コースコンディションとマシンをチェックしてピットに戻ってくる。アタックのために再びピットを後にしたのは残り時間が6分を経過するあたり。序盤同様に松下と大津がタイミングをずらし、その他の車両はほとんどがここでコースへと出ていった。小林はやや早めにアタックに入り、1分23秒219のターゲットタイムをマーク。2周連続でアタックし、セクター2までは自己ベストを更新していたものの、セクター3が伸び悩みタイム更新はならなかった。

 残り1分を切ったタイミングで、続々と各マシンはアタックを開始。まずは大津が1分22秒798で小林を上回ってトップを奪取。牧野と山本はそれぞれ大津に届かず2番手と3番手にとどまった。その後ローソンが1分22秒734とわずかに大津を上回って逆転。阪口が5番手に入った直後に福住がこれを上回って5番手に滑り込み、阪口が6番手へと後退した。笹原、平川は1分23秒の前半にとどまり上位6台に入れず、セッション終了。トップのローソンから大津、山本、牧野、福住、阪口までの6名がQ2へと駒を進め、小林、笹原、松下、平川、小高がノックアウトとなった。

 Q1のB組は、野尻智紀(TEAM MUGEN)、山下健太(KONDO RACING)、太田、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、国本雄資(KCMG)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)が出走。

 昨年からポールポジションを量産している野尻とランキングトップの宮田の直接対決に注目が集まったB組。タイミングをずらしてクリアラップを採った野尻からアタックに入る。野尻は1分22秒797と、A組のベストとほぼ同じタイムをたたき出して暫定トップに立つ。続いて国本、大嶋がコントロールラインを通過するも野尻のタイムには届かず2、3番手に。その後にチェッカーを受けた宮田も1分22秒832にとどまり、野尻がトップをキープしていく。

 山下が1分23秒台で3番手に入ると、佐藤がこれを上回ってQ2進出を確保し、その後関口もタイムアップを果たし1分23秒376でQ2進出圏内ぎりぎりの6番手に滑り込んだ。

 しかし、セクター1から全体ベストを並べた太田が1分22秒528と、野尻のタイムを約0.3秒削る驚異のタイムをたたき出してトップに躍り出た。これで関口が7番手にドロップし、決着。太田、野尻、宮田、佐藤、山下、坪井の6名がQ2に進出し、関口、国本、大嶋、ブリュックバシェ、ハイマンの5名がここで予選を終えることとなった。

 12名が揃ったポールポジション争いのQ2は、各車がウォームアップを経て福住からアタックを開始した。しかしその福住は1コーナーでブレーキをロックさせてしまいオーバーシュート。すぐ後ろでアタックに入った宮田はロスなくクリアして先頭でアタックを続ける。その宮田は1分22秒457と、Q1の自己ベストを0.3秒削って暫定トップタイムをマーク。

 続いて野尻がチェッカーを受けるが、1分22秒571でわずかに宮田に及ばず。宮田はポールポジションに一歩近づいたに思われたが、これを上回って見せたのがローソンで、1分22秒242と宮田を大きく突き放すタイムを記録する。続いて太田がコントロールラインを通過するも、1分22秒331でローソンには届かず2番手にとどまる。

 続いて山下、山本、佐藤がチェッカーを受けていくがローソンのトップタイムは変わらず、このまま初のポールポジション獲得なるかというところで、セクター1で全体ベストタイムを刻んでいた牧野が1分22秒063をマーク。驚きの速さを見せたと思われていたローソンのタイムを0.2秒削り、堂々のトップタイム更新となった。

 大津、阪口、坪井もチェッカーを受け、予選は終了。牧野は2019年開幕戦鈴鹿大会、スーパーフォーミュラのデビューレース以来、自身2度目となるポールポジション獲得を決めた。ローソンは第4戦オートポリス大会に続く自己ベストタイグリッド。今季ルーキーの太田は自己ベストグリッドで、以下佐藤、宮田、山本というトップ6。野尻は7位という結果だった。

 第6戦決勝レースは、16日(日)の14時30分にスタートする予定だ。

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

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