マウスガードで外傷〝歯止め〟 花巻東高女子硬式野球部に提供

マウスガード用の歯型をとる花巻東高女子硬式野球部の選手たち

 花巻東高女子硬式野球部に強力な「援軍」が加わった。日本スポーツ歯科医学会が普及調査事業としてマウスガードを提供。全面委託された岩手県歯科医師会が選手の歯型を取り、既製品ではなく「カスタムタイプ」を作製する。女子野球部への提供は全国第1号。選手たちが啓発の旗振り役となり、競技中の外傷に〝歯止め〟をかける。

 盛岡市の県歯科医師会館で今月上旬に行われたのは「歯型」採取。選手たちはピンク色の印象材を恐る恐る口に入れた。和久本結華副主将(3年)は「気持ち悪かった。軟らかい消しゴムを食べている感じ」と苦笑い。かんだまま無表情になると、順番待ちの選手が「寝てる?」と声をかけて笑いを誘った。午後5時から3時間以上かけて歯型66人分が完成した。

 県歯科医師会の技術と熱意で実現。鈴木卓哉常務理事(57)は「野球はけがをした場合、歯が折れたり抜けたりと重傷度が高い。マウスガードは外傷予防効果が大きく、野球で使う防具の一つになればいい」と期待を込める。

© 株式会社岩手日報社