特殊詐欺捜査に中枢部隊 24年春、都道府県の枠超え発足

特殊詐欺捜査の中枢部隊運用の流れ

 全国で発生する特殊詐欺に効率的に対応するため、47都道府県警から集められた捜査員が首都圏で集中捜査する専門部隊が2024年春、発足することが15日、警察庁への取材で分かった。05年に設置した「首都圏派遣捜査専従班」の規模と捜査分担を大幅に拡充、新組織として首都圏の4都県警に分散配置し、摘発強化を狙う。

 特殊詐欺事件では首都圏での捜査が必須で、地方の警察は捜査員の出張を余儀なくされる。こうした負担を補うために同専従班が発足したが、活動が初動捜査に限定されていたため、警察庁は運用方針を転換。新組織は初動から犯行グループ摘発までの大部分に関わる。全国で起きた特殊詐欺に対して都道府県警の枠を超え、捜査の中枢を担う部隊は初めて。

 全国の特殊詐欺の被害額は22年、370億8千万円に上り8年ぶりに増加。今年も5月末現在、前年同期比23.1%増の153億6千万円で、抜本的な対策が必要だ。

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