市立船橋に食らいつく市立千葉 主将同士は元チームメイト/夏の高校野球千葉大会

市船に食らいつく市立千葉 主将同士は元チームメイト/夏の高校野球千葉大会

 7月15日、市立千葉が挑んだのは、夏の千葉大会2連覇を目指す 市立船橋。

 練習試合の時にはヒットを打たれまくり何度もボコボコに負けていたというが、15日は初回から市立千葉が3点先制。 

 その後、3回まで0点に抑えるも、4回裏に4点を挙げた市立船橋が逆転。さらに7回表には、市立千葉が3点を加え再逆転!

 先が読めない展開に応援にも力が入るが、その裏市立船橋の攻撃で5失点を喫し試合終了。粘りの野球を見せたが市立船橋相手に6-10で敗れた。

 試合終了後、チバテレ+プラス編集部が取材したのは、チームをまとめあげる岡田塁主将。

  千葉ロッテマリーンズが優勝した年に生まれ、「野球をやってほしい」という親の想いから「塁」と名付けられたという。

 試合後、岡田主将は「率直にいうと、悔しい」と口にした上で、次のように話した。

「苦しいゲームになると思っていたところで初回3点とれて、そのあともピンチ作りながらも抑えられていた部分があった。自分たちが準備してきたところは間違っていなかったことが多かった。配球ミスもありましたが、初回もその後3点とれて逆転した時も、自分たちは“打線のつながり”を意識していたので、そこが大きな点になったと思います」

「自分たちは力がないので、どんな相手でも勝てるかどうかわからない。とにかく相手を上回る野球をすることを目標に臨みました。相手が市船だからどうこうというのはなく、その先も見据えた中での戦いでした」

 実は、今回対戦した相手・市立船橋には岡田主将の知り合いがたくさん。 

 なかでも篠﨑主将とは小中学生の時に、習志野市選抜で一緒にプレーをしていたという。

 今大会は、岡田主将はキャッチャー、篠崎主将はファースト。試合中もマッチアップ場面が何度かあった。    

 その時の様子を聞くと、岡田主将は「あまり意識はしていなかったです。むしろ自分としては試合中あまり関わらないようにしたいと思っていましたが、1打席目タイムリー打って塁出た時に大耀(篠﨑主将)から、 “ナイバッチ”(=ナイスバッティング)と声かけられました。ちょっと余裕あるみたいな感じでむかつきましたね。“おう”みたいな感じで答えましたが…」と少し笑いながら答えた。

 “ナイバッチ”そう声をかけられた1打席目には、岡田主将のタイムリーから仲間がホームイン。その時については「震えました。これまでで一番良いあたりだった」と振り返った。  なお、市立船橋の球種はテレビの録画を見て研究し“ずっと外側を攻めていた”ことを分析していたため、打席に立った時には外側の真っすぐを張ったという。

 試合後に顔を合わせた2人。 

 少し悔しそうな表情の岡田主将だったが、篠﨑主将に対し「秋から大耀もキャプテンやっていて、市船の方が人数も多くて引っ張っていく力とか自分が少人数まとめているよりも、すごいなと尊敬してきた。これからも頑張ってほしいです」と、言葉を噛みしめるように話すと、篠﨑主将は、微笑みながら頷いた。

市立船橋・篠﨑大耀主将(3年)は…

「自分たちの隙が出てしまった厳しい試合だった。今までの経験があった中での抑え方だったなと思いました。3点だったら逆転できる範囲内だったので、1点ずついこうと話して臨みました」

「お互いに集中していたが、塁(岡田主将)からは正々堂々戦おうという意思が目から、プレーから、伝わってくるものがあった。自分たちが試合には勝ったが、良い試合を出来たというところで、塁をはじめ市立千葉には感謝しています。今後は千葉県制覇を目指します」

 その後、仲間のもとへ戻った岡田主将は、仲間と共にこれまで支えてきてくれた保護者に対しメッセージ。

 ひとりずつ前に出て、「毎回ユニフォーム洗ってくれて、見守ってくれてありがとう」「朝練すごく早いのに自分より早く起きて、支えてくれてありがとう」「これから恩返ししていきたい」「悔しい思いもあるが、この野球部に入れて幸せだった」などという、想いを伝えると、保護者らは目頭を熱くしながらも息子たちの奮闘を称えた。

 この夏に熱響を。

 市立千葉との激戦を制した市立船橋は、17日に流通経済大柏と対戦します。

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