佐世保の市民団体の原爆写真展 市と市教委「後援難しい」 核兵器禁止条約への方針合わず

 8月に原爆写真展を企画する長崎県佐世保市の市民団体は15日までに、市などの後援を受けずに開催することを決めた。団体は市と市教委に後援申請したが、核兵器禁止条約への方針が異なることを理由に「後援は難しい」と伝えられたという。
 写真展は原水爆禁止佐世保協議会などが企画。7回目の今年は、8月5日に島瀬公園で開く予定。市と市教委には6月上旬にそれぞれ後援を申請していた。
 団体によると、昨年の会場に「日本政府は核兵器禁止条約に参加を」の横断幕を掲げたことに対し、市と市教委から「今年も同じ形であれば後援は難しい」と伝えられたという。団体は後援を諦め、核兵器廃絶の署名活動もすることにした。
 市と市教委は取材に、写真展は「問題ない」が、横断幕について「政治的中立を保つ市と方向性が異なる」などと見解を示した。後援を巡っては、団体が会場で核兵器廃絶の署名活動をしていることを理由に、市などが後援を断ってきた経緯がある。署名活動をしなかった一昨年、市と市教委が初めて後援。昨年は市教委だけが後援した。

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