核ごみ調査や処分事業 市民ら考える 議論続く長崎・対馬で集会 前向きと否定的、両方の声

文献調査や最終処分事業について考えた集会=対馬市厳原町、市交流センター

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階となる文献調査受け入れの議論が続く長崎県対馬市で15日、処分事業や調査について考える集会があった。
 文献調査を受け入れた自治体などには、最大20億円が交付される。調査を巡っては、同市の11団体が賛否などの立場で市議会に計8件の請願書を提出。特別委員会で審査が続いている。
 集会には政財界関係者や有識者ら7人が登壇。調査を受け入れた場合の地域発展の可能性、処分事業の安全性、国内外の事例などを説明した。
 旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)元理事の坪谷隆夫氏は「技術的に大丈夫でも、知事や市町村長の賛成がなければ文献調査から先には進めないことになっている」とし、JR九州元会長の石原進氏は「文献調査受け入れはあくまで地域の皆さんが判断することだ」と述べた。
 質疑では、市民から「最終処分は国内どこかでしないといけない」と調査に前向きな声や、「絶対に安全ということはない」と否定的な声が聞かれた。
 調査を推進する立場で「九州のエネルギーを考える会」(福岡市)が開催。同会によると、市民100人超が来場した。

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