巨大山笠、海渡る 呼子・小友祇園祭

男衆に担がれ、海中を勇壮に進む小友祇園祭の山笠=唐津市呼子町小友

 「海を渡る山笠」として知られる唐津市呼子町小友の小友祇園祭が15日、始まった。法被姿の男衆約50人が巨大な山笠を担ぎ、「アーサッサ」の威勢のいい掛け声とともに海に入り、肩までつかりながら海中約70メートルを渡った。「海入り」は16日午後2時ごろにも予定する。

 山笠は高さ15メートル、重さは3トンあり、今年の飾り付けは絢爛豪華な「本能寺の変」「三方ケ原の合戦」。車輪はなく、4本の大棒で担ぐ。神事の後、鉦や太鼓を打ち鳴らし、男衆は集落内の路地を力の限り練り歩いた。潮が引くのに合わせて午後0時半すぎに海に入り、山笠を勇壮に前後に揺らすと人形飾りも踊った。

 祭りは1658(万治元)年、コレラの悪疫退散を祈願して始まったとされる。海中の足場のかさ上げや、週末開催で日程を組みやすくするなど、伝統継承に努めてきた保存会の藤松惠次会長(73)は「担ぎ手が足りないが、続けていくためにも、やり方をいろいろ検討したい」と話す。(松田毅)

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