スペーシアXに県内沿線沸く 多彩イベント笑顔で歓迎 デビュー記念、撮り鉄も

東武新鹿沼駅のホームで列車を出迎えた園児ら=15日午前9時17分、鹿沼市

 東武鉄道の新型特急車両「スペーシアX(エックス)」の運転が始まった15日、県内沿線は歓迎ムードに包まれた。各駅では大勢の人が笑顔で出迎え、地元住民たちは通過する列車に手を振った。運行初日に記念の写真を撮影しようと、線路沿いには大きなカメラを構えた「撮り鉄」の姿もあった。

 午前9時過ぎ、東武新鹿沼駅には鹿沼市職員や地元の園児ら約40人が集まった。一番列車がホームに顔を覗(のぞ)かせると「見えた」「来た来た」と歓声が上がり、歓迎の旗を振って出迎えた。

 薄井瑠望(うすいるの)ちゃん(6)は「大きくてかっこよかった」、坂寄色葉(さかよりいろは)ちゃん(5)は「今度乗ってみたい」と笑顔を弾ませた。

 日光市でもさまざまなイベントを開催。鬼怒川・川治温泉旅館協同組合の女将(おかみの会のメンバー8人は午後3時40分ごろ、下今市駅から列車に乗り込み、乗客にうちわなどの記念品を手渡した。

 鬼怒川温泉駅では同組合関係者らが「ようこそ」と書かれた横断幕を掲げ、地元有志が郷土芸能「龍王(りゅうおう)太鼓」を披露し盛り上げた。

 同駅で降りた東京都墨田区、大学1年小林裕一郎(こばやしゆういちろう)さん(18)は、鹿沼組子のデザインなどが取り入れられた車内を「特徴的でとても良かった」と満足げに話した。

 沿線の撮影スポットには、県内外から多くの鉄道ファンが訪れた。下今市駅近くの踏切では正午ごろ、スペーシアXとSL大樹(たいじゅ)を一つの画角に収めようと10人ほどが陣取った。

 日光市瀬川の踏切で動画を撮っていた埼玉県所沢市の主婦(35)は「今日は運行初日なので、記念に日光まで来た」と話し、懸命に列車の姿を追った。

 日光市の東武鬼怒川線沿線にある「倉ケ崎SL花畑」で撮影した宇都宮市城山中2年大渕樹生(おおぶちたつき)さん(13)は「伝統的なデザインを生かした新しい車体がかっこいい」と絶賛していた。

プレミアムシートの乗客に記念品を手渡す女将ら=15日午後3時50分、日光市

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