写真家・岩合光昭が大阪でトーク会、猫と13年越しの再会語る

ドキュメンタリー番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』(NHK BSプレミアム)でおなじみの動物写真家・岩合光昭による新作写真展が「阪急うめだ本店」(大阪北区)にて開催中。7月16日にはトークショーがおこなわれ、満席の客を前に、岩合自らが作品の思い出を語った。

満席のお客を前に、トークショーをおこなった動物写真家・岩合光昭氏(16日・大阪市内)

今回の写真展では、番組で訪れた国内各地から16カ所を厳選し、四季とともにねこと人の暮らしぶりを撮影した約160点を展示。コロナ禍で約3年間、海外撮影ができないなか、改めて「日本の四季の美しさ」を感じたという岩合。写真展のメインビジュアルには、猫のバックに「日本」=「富士山」が見える1枚を選んだそうで「実は(東京)荻窪の銭湯に描かれた富士山ですけどね」と裏話を軽快にトーク。

展示作品のなかの思い出深いエピソードとして、愛知・足助で撮影した「雛人形」の前に座るねこ「まる」を挙げ、番組撮影で13年後に再会できたと明かした。「ひな祭りの時期にまったく同じ所でカメラを構えると、昔を思い出して感極まってきて。猫と人間だけど意思が通じた感覚があるんですよね」と、猫や土地との「縁」を感じたという。

撮影相手が猫なだけに「待つ」ことも多いといい、「周りの自然にも目を向け、待つという意識を持たないことが大切。『猫来ない』と肩をいからせているより、油断した方が現れたりする。いつもスタッフに『肩の力を抜こうよ。僕たちが力を入れてる限り猫は親しくなってくれない』と声がけするんです」。

半世紀以上ライフワークとして猫を撮り続けている岩合。改めて猫について「絶対人の言うことを聞かない。本では、物を落とした時など現行犯ならその場で叱る(しつける)と書かれたりしていますが、経験上効果はないと思う。こちらがあきらめます(笑)」と猫の魅力ともとれる特徴について、満面の笑みを見せた。

大阪会場限定の作品コーナーを訪れた動物写真家・岩合光昭氏(16日・大阪市内)

『写真展 岩合光昭の日本ねこ歩き』は8月7日まで開催。会場は「阪急うめだ本店」9階「阪急うめだギャラリー・アートステージ」にて、時間は朝10時~夜8時(最終日は18時閉場)。入場料は一般800円ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

『写真展 岩合光昭の日本ねこ歩き』

期間:2023年7月12日(水)~8月7日(月)
時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)
会場:阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリー・アートステージ(大阪府大阪市北区角田町8−7)
料金:一般・大人800円・小中高学生600円

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