【香港】キャセイの6月旅客、前年同月の10.3倍[運輸]

香港の航空最大手キャセイパシフィック航空(国泰航空)が14日発表した6月の輸送実績は、旅客数が延べ154万8,571人だった。前年同月の約10.3倍で、前月比でも9.2%増加した。

劉凱詩(ラビニア・ラウ)最高顧客・商務責任者(CCO)は、6月の旅客輸送実績を「喜ばしい」と評価。同月25日には新型コロナウイルス禍以後で初めて1日6万人の大台を突破したと明らかにした。長距離線では香港からの留学生が多い北米、英国、オーストラリア・ニュージーランドと香港を結ぶ便の需要が良好で、これらの復路便の搭乗率は平均で約90%に達し、全体の搭乗率を87.7%に押し上げたという。

6月の貨物・郵便取扱量は前年同月比6.4%増の11万1,210トン。前月比では1.3%伸びた。劉氏は、夏季は航空貨物需要の閑散期だと指摘。その上で、6月の全体の輸送需要は予想通りだったが、活発な電子商取引(EC)が輸送実績を下支えしたと説明した。

■中間は黒字転換へ

キャセイは同日、8月に発表予定の2023年6月中間期連結決算で約40億~45億HKドル(約710億~800億円)の黒字を計上する見通しを明らかにした。前年同期の純損益は約50億HKドルの赤字だった。

このほかキャセイは、優先株(議決権がない代わりに配当順位が高い株式)を持つ香港政府に対し、繰り延べ配当支払いを6月30日に実施したと発表した。金額は15億2,410万HKドル。また新型コロナウイルス禍を乗り切った労をねぎらうため、22年12月末以前に入社した従業員に対し、2週間分の給与に相当する特別ボーナスを支給する。コロナ禍に見舞われていた20~22年に実施した無給休暇スキームに応じたことがあり、現在も在籍している従業員に対しては、さらに4週間分相当を追加支給する。

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